大技完成の舞台裏とは――。フィギュアスケートの全日本選手権アイスダンス予選会(10月31日、ALSOKぐんまアイスアリーナ)、リズムダンス(RD)が行われ〝りかしん〟こと紀平梨花(24=鹿島)、西山真瑚(24=オリエンタルバイオ)組が65・79点で2位発進。国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自己ベストを更新した。

 見せ場は演技後半に待っていた。紀平が西山の背中を使って1回転するアクロバットなリフトを披露すると、観客の盛り上がりは最高潮に達した。大きなミスなく演技をまとめ、紀平は「ブラッシュアップも重ねて新しくいいものができていた。それがしっかり点数に表れているのは、すごくうれしい気持ち」と満面の笑みを浮かべた。

優雅さと豪快さを共存させた〝りかしん〟の演技
優雅さと豪快さを共存させた〝りかしん〟の演技

 会場を魅了した大技は、わずか1か月半で成功にこぎつけたという。9月上旬の木下グループ杯後に本格的な練習をスタート。最初の1~2週間は陸上での練習中に「梨花ちゃんが頭から落ちたこともあった」と西山。ハプニングに見舞われながらも、入念に確認を重ねた。

 紀平は「(当初は)怖さもあった」と振り返るが、練習開始から約2週間後には氷上でもこなせるようになった。紀平は「感覚がつかめればうまくいくので、最初は顔を打ってもいい場所(陸上)で『もうちょっと引くタイミングを早くしてほしい』とか、話し合いながらやっていた」と回想。持ち前の運動神経を生かしつつ、コミュニケーションを取りながら精度を高めた。

 カップルを結成したのは昨年9月末。伸びしろたっぷりの〝りかしん〟は、次なる大技の習得に意欲満々だ。西山は「僕たちの強みとして注目してもらいやすいと思うので、いろいろやっていきたい。もっともっとできると思っている」。次はどんな大技で驚かせてくれるのだろうか。