米民主党が、UFO情報公開問題の主導権を共和党とトランプ政権から奪おうと準備を進めている。民主党側は、トランプ政権が情報公開の約束を果たさず、対応を遅らせていると非難。UFO情報公開を巡る米政界の主導権争いが激化しそうだ。米紙ニューヨーク・ポストが10月31日、報じた。

 関係者が同紙に明かしたところによると、民主党は11月3日の中間選挙で下院の過半数を奪還した場合、独自のUFO議員連盟と特別委員会を設立する準備を進めている。共和党のアンナ・パウリナ・ルナ下院議員(フロリダ州選出)が率いる「連邦政府の機密情報解除に関するタスクフォース」に取って代わり、UFO情報公開の主導権を握る狙いがあるという。

 2022年に約50年ぶりに開かれたUFOに関する議会の公開公聴会で議長を務めた民主党のアンドレ・カーソン下院議員(インディアナ州選出)は、長年にわたり、UFO問題を連邦議会の主要議題として取り上げるよう働きかけてきた。

 カーソン氏はニューヨーク・ポスト紙に寄せた声明で「残念ながら、現政権はUAP(未確認異常現象)に関して十分な透明性を確保しておらず、議会がUAP情報公開のために法律で定めた複数の義務の履行を遅らせている」と批判した。

 その具体例として挙げたのが、国防総省の全領域異常解決局(AARO)がまとめたUAPの歴史的記録に関する報告書だ。AAROは、UAPに関する報告を受け付け、分析・解明するために設立された機関だが、カーソン氏によると、重要な報告書の公表を2年近くも遅らせているという。

 この報告書には、過去数十年にわたり米軍や情報機関が実施したUFO目撃情報の調査について、新たな事実が記されている可能性がある。特に注目されるのは、機密計画がどのような役割を果たし、関連する活動が議会に適切に報告されていたかどうかという点だ。

 カーソン氏は「私は、この報告書をただちに公開するよう求める。報告書には、軍や情報機関が過去に実施したUAP調査について、追加の調査結果が盛り込まれていると期待される」と訴えた。

 AAROは2024年3月、米政府によるUAP調査の歴史を検証した報告書の第1巻を公表している。今回、カーソン氏が公開を要求したのは、その続編となる第2巻の可能性もあるが、同氏の事務所は対象の文書を特定していない。

 一方、共和党関係者の間では、UFO情報公開がトランプ政権の歴史的な功績となる前に、民主党に手柄を奪われるのではないかとの懸念が広がっている。

 UFO問題の内部告発者として知られるデービッド・グルーシュ氏も9月30日、人気ポッドキャスト番組で「トランプ大統領が退任する前に実現しなければならない。次の大統領がトランプ大統領の指示を最後まで実行してくれるとは信じられない」と、早期の全面的な情報公開を訴えた。

 UFO情報公開は、共和党と民主党が超党派で取り組んできた問題だが、中間選挙を機に、両党の新たな政治的対立の火種となりそうだ。