歴史的な低迷が続くF1アストンマーティンの深刻な窮状を示すデータが明らかになった。

 アストンマーティンはシンガポール・グランプリ(GP)決勝(11日)でフェルナンド・アロンソが16位、ランス・ストロールがリタイアとまたまた不振。前戦のバーレーンGPインマレーシアでアロンソが8位入賞して話題を呼んだが、すぐさまトンネルへ逆戻りとなった。

 英メディア「プラネットF1」は「シンガポールは、アストンマーティンがホンダ製パワーユニットの弱点を隠せるはずのサーキットだった。しかし、実際にはこれまで以上にその弱点が露呈してしまった」と指摘。アストンマーティン&ホンダにとって比較的、善戦が可能なコースレイアウトだったが撃沈したことで、深刻さが明るみになったと強調する。

「長いストレートが少なく、今季最多の低速コーナーが並ぶマリーナ・ベイ・サーキットは、救いの手となるはずだったが、テレメトリーデータは性能差の真の大きさを浮き彫りにした。アストンマーティンは、パワーユニットの性能不足だけでどれほどのタイムを失っているのだろうか」とした上で、グラフなどのデータを示した。

「アロンソのテレメトリーデータを、Q1でメルセデス製エンジンを搭載したウィリアムズを駆り、同等のラップタイムを記録したアレクサンダー・アルボンと比較したものである」と分析。そのデータでは「直線速度の差は明らかだ。全開区間では、その長さを問わず、アストンマーティンは顕著な速度不足に悩まされている。例えば、ターン5からターン7の間だけでも、アロンソはウィリアムズのドライバーに比べて約0・16秒遅れをとっている。また、長い直線の後に続くターン16への進入速度に、これがどのような影響を与えるかを見るのも興味深い。そこでは、マシンの本質的な性能不足を補うために、シケインへの進入ラインを変更せざるを得ないのだ」と詳細に説明した。

 データはさらに〝ホンダエンジン〟の問題点をあぶり出す。「決定的なのは、ストレート区間で速度を失うことが二次的な問題を引き起こす点だ。速度の遅いマシンを減速させるのに必要なエネルギーは少ないため、アロンソはブレーキング時に回収できるエネルギーが少なくなってしまう。バッテリー残量が少ない状態で次のストレート区間に入ると、十分な電力を供給できなくなり、すでに存在していた問題がさらに悪化する。2026年仕様のマシンは、馬力の不足がサーキット上で容赦なく露呈してしまうような設計になっているのだ」と酷評した。

 そしてこう結論付ける。「最高速度という点では、アストンマーティンは依然としてグリッド内でダントツの最下位チームであり、その遅れはホンダが直接的な責任を負っている」とバッサリ切り捨てた。

 伝統のホンダエンジンの復活をF1ファンが待ち望んでいるが、光明が見える日はやって来るのか。