主砲不在の10月は、NYの名門にとっていきなり綱渡りを強いることになりそうだ。ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(34)が、右ふくらはぎの中程度の肉離れにより、29日(日本時間30日)開幕のレッドソックスとのア・リーグ・ワイルドカード(WC)シリーズの26人枠から外れた。

 米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、ジャッジが28日(同29日)の実戦形式の打撃練習には参加した一方、塁間走や守備練習を行わなかった点を重視。「まだ試合に出られる状態ではない」とし、ロースターから外した判断を妥当と評した。

 米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」も、16日(同17日)に負った患部は軽傷ではなく、復帰へ重要なステップとなる走塁と守備をこなせていないと指摘。実戦形式では4打席に立ったものの2四球、見逃し三振、ゴロという内容だった。

 痛いのは、その存在が単なる「一枚の強打者」ではないことだ。今季は右肋骨骨折で長期離脱しながら66試合で18本塁打、41打点、OPS0・871。復帰後の直近7試合は打率1割7分4厘、1本塁打、3打点、OPS0・513と本調子には遠かったが、打線の中心に背番号99がいるだけで相手に与える圧力は激変する。

 しかもワイルドカードシリーズは3戦2勝制。宿敵レッドソックスを退けても、ア・リーグ地区シリーズでは第1シードのレイズが待つ。ロースターは各ラウンド前に変更できるため、勝ち上がればジャッジ復帰の余地は残るが、それも患部次第だ。

「ジャッジ抜きで勝ち抜くのは簡単ではない」と前出の「ON SI」は指摘。主砲の復帰までシーズンをつなげるのか。それとも背番号99を待つ前に10月が終わるのか。ヤンキースは最初の関門から、重すぎるハンディを背負わされた。