米総合格闘技イベント「UFCファイトナイト」(30日、中国・上海)で、朝倉海(32)がアオリ・チロン(中国)に劇的な勝利を飾った。左ハイキックを側頭部にヒットさせてからたたみかけて2ラウンド(R)34秒でTKO。この快勝に〝バカサバイバー〟こと青木真也(43)が忖度なしにメスを入れた。
見事な勝利だった。1R序盤は蹴りを放ちながら距離を取っていた海だが、中盤から徐々にパンチも打ち込む。そして2R開始早々、左右のパンチから左ハイキックを放つと追撃のパンチでヒザをつかせた。これで亀の体勢で頭を抱える相手に対しヒザ蹴り、パウンドと容赦ない打撃を叩き込み、レフェリーから勝利が告げられた。
この盤石な試合運びに青木は「チームを変えたことで一気に慎重になったな」と声をしゃがれさせる。昨年から金原正徳氏を「専属コーチ」に迎えるなど、練習環境を整えてからファイトスタイルに変化が見られるとして「これで足をすくわれることはなくなるんじゃないか。でも、これで消える良さもあるかもしれないな」とメガネを不気味に光らせた。
試合運びには「手放して喜べる内容ではなかった」とまさかの評価だ。その理由を「今回の相手は、本来なら寄せ付けないぐらいの差があってしかるべきの位置付けの選手なんだ。そんな相手と〝攻防〟しちゃってたからな」と説明した。
その上で「朝倉海さんって、実はガードはよくなくて被弾しやすいタイプなんだよ。実際、今回も右アッパーと右の真っすぐ(ストレート)をもらってるだろ」とスタンドの攻防でのディフェンスに課題があり、今回も打撃を受ける場面があったと指摘。その上で「そこを今回露呈してしまったから、今後狙われる可能性が多分にある」と警鐘を鳴らした。
あれほどの快勝を素直に絶賛しないのは、海への期待の高さゆえか、それとも青木自身の老害ゆえか…。そんな疑問はさておき、今後について「今回見えた課題をどれだけ潰していけるかがポイントになるだろうな。だから、次はまだ一気に上に行くんじゃなくてランカーの手前くらいがいいと思う」と話すと、KO―Dタッグ王座の防衛に成功した後楽園ホールから自転車で走り去るのだった。













