これが世界を驚かせるVロードだ。北中米W杯(11日開幕)で、日本代表は14日(日本時間15日)の1次リーグF組初戦で強豪オランダと激突する。2021年東京五輪、22年カタールW杯に続き、決戦を前にした森保一監督(57)を盟友の元日本代表FW武田修宏氏(59=本紙評論家)が直撃した。前編では指揮官がともにドーハの悲劇を経験した先輩に、大舞台での戦い方を力説。決勝トーナメントの戦略、勝ち抜く上でカギとなるPK戦の〝秘策〟を明かした。

 武田氏(以下武田)いよいよ監督として2度目のW杯を迎える

 森保監督(以下森保)これまでコツコツとやってきたことに自信を持って世界に挑みたい。FIFA(国際サッカー連盟)ランキングで我々より上のチーム、一桁台のチームは間違いなく強い。そこにリスペクトしつつ、見上げることなく戦うのは(前回大会と)同じ。ただ、親善試合とはいえブラジル、イングランドに押される時間は長くても勝利をつかみ、我々が攻撃の形をつくる、ボールを保持するという時間をつくれる力関係になっていったと思います。

 武田 1次リーグはオランダ、チュニジア、スウェーデンとの対戦だ

 森保 オランダ戦は守らないといけない時間帯も多いと思っている中で戦わないといけない。チュニジアは監督が代わったとはいえ予選は失点ゼロで、守備が堅く、そこから攻撃につなげてくる。前回W杯のコスタリカみたいな、我々がどう崩していくかという戦いになります。スウェーデンは個々にいい選手がすごくいるので、そこは五分五分の勝負になるかなとも思っています。

森保一監督(奥)と武田修宏氏
森保一監督(奥)と武田修宏氏

 武田 前回W杯のコスタリカ戦など守る相手をどう崩すかは課題だった

 森保 まだ改善する余地はありますが、3月のスコットランド戦は守りを固めてくる相手に対して、ボールを保持しながらチャンスをつくるというところと、形を変えながら圧力をかけていくということを試せました。

 武田 決勝トーナメント(T)を見据える戦いを想定している

 森保 そこはもちろん考えて、決勝Tに行ったら延長、PK戦がある。1次リーグと決勝Tの戦い方、何が違うということも私自身が振り返って、生かしていかなければいけない。ただ目の前の一戦に、全力を尽くすということを忘れてはいけない。どんな強豪でも目の前の一戦を怠ったら前回のドイツのように、1次リーグで敗退してしまうこともあります。目の前の一戦と、次につなげていくことを両輪でやっていきたい。

 武田 決勝TにおけるPK戦対策も進めてきた

 森保 2期目では親善試合の時であっても、トレーニングでPKを入れられる時は必ずやっています。本番の再現は難しいが、状況を設定しながら、選手に蹴ってもらっています。その映像を全て撮っていて、誰がどう決めたかのデータを取っているんです。大会期間中はミーティングなどを含めて、どのような姿勢で挑むのかということはやっていきたい。

 武田 カタールW杯は挙手制だった

 森保 前回は挙手制と言われているが、実は(順番を)準備していました。準備していて最後に挙手制にしたのは、私の考え。挙手制は決める自信があるから蹴る。めちゃくちゃプレッシャーがかかってる中で蹴ること自体、決まっても決まらなくても選手の成長になる。ただミスをすると、選手の責任になってしまうので、今回はおそらく自分が順番を決めるが、もしかしたら同じ判断をするかもしれないです。

 武田 今回から試合数も増える

 森保 もちろん初戦に最善の準備で全力を尽くすが、初戦ありきにはならないように気をつけたい。おそらく勝ち点3を取れば決勝Tに行けるので、スタートで一喜一憂しすぎないように。気をつける部分では、決勝Tで1試合増えるだけで、相当な負荷がかかってきます。チーム全体、総力戦で勝っていく。体力的にもメンタル的にも、選手の負担を軽減していければと思います。

 武田 目標は優勝だが、まずはベスト8入りを目指す

 森保 これまでベスト16の壁を考えすぎて過度にプレッシャーを自分たちでかけ、それが戦い方に影響していたかもしれません。W杯は優勝という目標を掲げているが、その目標に向かっていく中で、意識しすぎず超えていければ。戦い方に関しては、先行勝ち切りもできれば、最後差し馬のように勝っていく、両方ともできようになることも大事になります。