家族の存在を力に変えた。レスリングの明治杯全日本選抜選手権(東京スポーツ新聞格技振興財団協賛)2日目(22日、駒沢体育館)、非五輪階級の男子グレコローマン63キロ級は、同60キロパリ五輪金メダルの文田健一郎(30=ミキハウス)が制した。

 同五輪から約1年9か月ぶりに試合のマットに立った文田は、中村真翔(育英大)との決勝、田南部魁星(ミキハウス)とのプレーオフをともにテクニカルスぺオリティーで圧勝。10月の世界選手権(バーレーン・マナマ)の出場権を手にした。

 試合後には「五輪以来に優勝という立場になれて、改めて良いものだなって。やっぱり勝つことは良いことだなとすごく思った」と喜びをあらわにした。この日も2人の娘と妻が会場に訪れ、大きな声援を聞いた文田は「本当に声がよく通りますね。セコンドの声より大きく聞こえる。勝利の女神が3人見ていたので、さすがに負けられないというか、応援に来てくれた試合は負けないという連勝記録を継続中なので、これからも応援にたくさん来てほしいです」と家族の声援を力に変えた。

 2028年ロサンゼルス五輪連覇を見据える中で、12月の全日本選手権からは再び60キロ級で戦っていく予定だ。「この段階でマットに立てて良かったと実感している。課題が見えてもっとこうしたい、ああしたいという思いがすごく湧いている。今からレスリングに取り組むのが楽しみ」と笑顔。パリ五輪王者は、第2の競技人生の幕開けを最高の形でスタートさせた。