世界的トレーナーが〝ささやき女将〟化!?

 ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチ(5月2日、東京ドーム)でWBA・WBC・WBO同級1位・中谷潤人(28=M・T)の挑戦を受ける4団体統一王者・井上尚弥(33=大橋)が20日、横浜市内で公開練習を行った。練習前の会見では冗舌に語る井上の発言に対し、父でトレーナーの真吾氏が「言い過ぎだよ」とささやいて笑いを誘う場面があった。

 日本史上最大と言われる一戦を前に井上は「心身ともにすごくいい状態」と好調をアピール。互いに離れても接近しても強みを発揮する万能型だが、身長とリーチで上回る中谷対策は「最終段階に入ってきていて、まあどんな入り方、どんな戦い方でも対応できるようには準備はできている」と手ごたえ十分だ。

 だが、多くの世界的表彰を受けている名伯楽の真吾氏が口を滑らせる。戦いの注目点を問われ、「ナオ(井上)の出入りだったり、スピードだったり、空間をちょっと見てもらいたい」と距離がポイントになることを示唆した後、「ちょっと言い過ぎました」と苦笑い。あわてて「のっそり行くかもしれないですよ。亀さん戦法で」とごまかした。

 そして、井上が2年前に東京ドームでルイス・ネリ(メキシコ)にダウンを喫したのは会場の影響もあるのではないかとの質問が飛んだ。井上が「ドームだからとか関係なくネリが一撃を当てたっていう、ただそれだけの事実。ただ一度ドームを経験してるっていうのは自分の中ですごくいい経験。それも5・2には生かせると思う」と返答すると、真吾氏が小声で「言い過ぎだよ」と制止。その様子はさながら2007年に食品偽装疑惑で会見を行った高級料亭「船場吉兆」の〝ささやき女将〟のようだった。

 とはいえ、モンスターの受け答えは貫禄十分。豪快に倒す戦いも技術で封じる戦いも見せてきたが、今回は「どちらも見せると思う」とニヤリ。逆に、中谷が25年6月の西田凌佑戦で序盤から攻撃的に行く戦いを見せたことについて「ああいう戦い方をするイメージはなかったですけど、目の前であの戦い方を見せてくれたというのは、自分の中ですごくプラスというか、イメージはものすごく膨らんでいる」と収穫を口にした。

 天下分け目の一戦の重圧は並大抵のものではないと思われるが「そんな重圧なんて今に始まったことではないので何も気にしない」とケロリ。「ただ、こういった大一番で負けられないという気持ちっていうのは非常に強い」と闘志を燃やした。

 モンスターはどのような戦いを見せるのだろうか。