日本史上最大の一戦は短期決戦か――。

 ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチ(5月2日、東京ドーム)でWBA・WBC・WBO同級1位・中谷潤人(28=M・T)の挑戦を受ける4団体統一王者・井上尚弥(33=大橋)が20日、横浜市内で公開練習を行った。大橋ジムの大橋秀行会長は試合展開について「1ラウンド(R)で動きますね」と、初回から打ち合いになる可能性を予想した。

 この階級では標準的な体格のオーソドックス井上と長身サウスポー中谷の激突。この構図は、2025年9月のWBA世界スーパーウエルター級王者テレンス・クロフォード(米国)―世界スーパーミドル級4団体統一王者サウル・アルバレス(メキシコ)戦に似ていると言われる。中谷と似た体形のスイッチヒッターのクロフォードが距離を生かした技術でアルバレスのパワーを上回って判定勝ちを収めており、前日に中谷はクロフォードを「参考にしている」と明かしていた。

 しかしこの日、井上は「どんな入り方、どんな戦い方でも対応できるようには準備はできている」と対策万全を強調しつつ「ああ(クロフォード―アルバレス戦のように)はならない」と想定。その理由を問われると「当日、楽しみにしてください」と明かさなかった。

 同じ質問を大橋会長にぶつけると「俺は、中谷はクロフォードじゃない(と思う)から」と返答。「1Rが見ものですね。そこから試合が動く可能性はあります」と予想し、さらに「俺はどうやって出てくるか9割方分かってるけど」と不敵な笑みを浮かべた。

 この一戦に似た構図の試合は他にもある。1985年4月のマービン・ハグラー(米国)―トーマス・ハーンズ戦だ。長身オーソドックスで射程距離の長い強打が武器のハーンズを、サウスポーのファイターであるハグラーが果敢に距離を詰めて打ち合いを挑み、3回KOで勝利した一戦は歴史的名勝負の一つに数えられている。

 しかし40年以上前の出来事とあってか、大橋会長は「なるほど。ちょっと(時代が)違うからね」と実感が湧かない様子。だが、今回も同様の展開になる可能性について「あり得るけどね」との考えを示した。くしくも、ハグラー―ハーンズ戦は「ザ・ファイト」と銘打たれていたが、今回は「ザ・デイ」と興行のタイトルも似ている。

 過去の再現になるか。それとも予想外の展開になるか。