森保ジャパンが偉業を果たすための武器とは――。日本代表は3月31日(日本時間1日)の国際親善試合イングランド戦(英ロンドン・ウェンブリースタジアム)で1―0と勝利。前半にMF三笘薫(28=ブライトン)が先制ゴールを決めると、終盤には相手の猛攻も耐えて逃げ切った。スター軍団からの歴史的初勝利に、元日本代表FW武田修宏氏(58=本紙評論家)は、6月に開幕する北中米W杯出場に向けてチーム完成度における〝世界ナンバーワン〟のお墨付きを与えた。

 日本代表が国際サッカー連盟(FIFA)ランキング4位で北中米W杯優勝候補の一角である強豪から価値ある勝利をつかんだ。2022年カタールW杯では、W杯優勝経験国のドイツ&スペインから奪った金星は逆転だったが、異なるパターンで勝ったのは森保ジャパンの進化だ。

 決勝点はカウンターが発動した前半23分。最後はMF中村敬斗(スタッド・ランス)からのクロスを三笘が右足で合わせた。守備面でも全員が意識高く、最後まで集中力を切らさず完封。森保一監督は「W杯でも押されることは多いと思うが、その中でも守って、ゴールを奪えるというところを自信にしたい」と勝利の意義を強調した。

 武田氏は「素晴らしい勝利だった。(森保監督就任から)7年間の積み重ねだと思う。攻守でみんなが同じ絵を描いていた。W杯に48チームが出るけど、代表チームとしてここまで細かく戦術、戦略を積み重ねているという意味では、日本が一番じゃないかな。代表というより、クラブチームと同じ緻密さだよね」と練習をともにする時間が限られる代表チームとしては異例の高い完成度を絶賛した。

 もちろん、親善試合の結果が本番に直結するとは限らない。武田氏も「これで日本はさらにマークされるし、簡単に勝たせてくれない」と警戒する。一方で、イングランド戦にはMF久保建英(レアル・ソシエダード)、MF遠藤航(リバプール)、MF守田英正(スポルティング)らが不在で「いない選手が複数いた中で、影響を感じさせず、こういう試合ができたのは大きい。(W杯に)勝つには選手層の厚さも必要」。本番で、より強化されたチームで臨めれば各国からの包囲網もかいくぐれる。

(左から)久保建英、遠藤航、守田英正
(左から)久保建英、遠藤航、守田英正

 また、この日のW杯欧州予選プレーオフB組決勝を制したスウェーデンが、日本と同じ1次リーグF組に。FWビクトル・ギョケレシュ(アーセナル)ら強力な攻撃陣を擁するチームについて、武田氏は「しっかり守ってくるし、強力な攻撃陣もいる。簡単な相手ではないが、3戦目だし勝ち点の状況で誰を出すか変わってくると思う」と分析した。

 そして、森保監督がすでにW杯1次リーグ3戦(オランダ、チュニジア、スウェーデンの順で対戦)と決勝トーナメントを見据えた起用イメージを確立させていると指摘。「対戦相手を踏まえ、誰と誰を組み合わせるかのプランは、展開によってある程度、決まっているのでは」。目標のW杯制覇へ着々と進行中。森保ジャパンのサプライズは現実味を増してきている。