天敵攻略なるか。日本相撲協会は25日、関脇霧島(29=音羽山)の大関昇進を正式に決定した。2年ぶりとなる大関復帰を果たした霧島は大阪・堺市の部屋宿舎で行われた伝達式で「さらなる高みを目指して一生懸命努力します」と口上を述べて決意表明。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(42=本紙評論家)は「横綱になる力はある」とした上で、番付の頂点に立つための課題を指摘した。
「大関霧島」が復活した。霧島は伝達式後の会見で「何よりうれしいです」と晴れやかな表情。口上に込めた思いを問われると「もっとさらに上(横綱)を見て頑張る」と改めて決意をにじませた。2024年夏場所以来となる大関返り咲き。大関が平幕以下への転落を経て復帰を果たすのは魁傑、照ノ富士に続いて史上3人目で、不屈の精神が実を結んだ。
一方で、3度目の優勝を果たした春場所では〝宿題〟を残した。賜杯に王手をかけて臨んだ14日目は、大関安青錦(22=安治川)に完敗。その直後に横綱豊昇龍(26=立浪)が負けてVが決まる異例の展開となった。千秋楽は白星で締めて優勝に花を添えるはずが、まさかの連敗フィニッシュ。どこか尻すぼみとなった印象は否めない。
師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)も会見で「最後、連敗でちょっと残念な終わり方だった。それを来場所は払拭して『大関に上げて良かった』と思ってもらえるように。協会の看板を背負っているわけだから」と一層の奮起を求めた。番付の頂点を目指していく上での課題もある。春場所で敗れた安青錦とは1勝4敗。横綱大の里(25=二所ノ関)に至っては10戦全敗(春場所は対戦なし)とカモにされている。
秀ノ山親方は霧島について「横綱になるだけの力はある」と高く評価する一方で、次のように指摘する。「もう少し立ち合いから厳しさがほしい。春場所でも安青錦が先手を取って、霧島は攻め手がないまま一方的に負ける展開だった。大の里も含めて、苦手な相手とは春巡業や夏場所前にどんどん自分から稽古するべき。当たる角度や相手を押すポイント、足の運び…稽古で肌を合わせて分かることがある」
霧島自身も「(大の里には)まだ勝っていない。勝つためには稽古しかない」と自覚するなか、夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)での大関再デビューに向けてプラス材料もある。29日から約1か月間の日程で行われる春巡業に、音羽山親方が審判として参加することが決定。巡業の稽古中に師匠から直接指導を受けられるメリットは大きい。
2横綱3大関となる夏場所で、霧島は存在感を示すことができるのか。新たな挑戦が、まもなく始まる。












