【目撃】ドジャースの大谷翔平投手(31)が見せたのは、圧巻の奪三振ショーだけではなかった。24日(日本時間25日)、ドジャー・スタジアムで行われたエンゼルスとのオープン戦。0―3で敗れた一戦で「1番・DH兼投手」として二刀流出場した背番号17は、4回終了時点で11奪三振をマークし、球場の視線を一身に集めていた。
その熱気の中で、ふと耳に残るひと言があった。4回の投球直後だった。大谷は顔をしかめるようにして、思わず叫んだ。「あいや!」――。
標準語の「しまった」でも、英語の「Oops!」でもない。思わぬ瞬間に口をついて出る、東北ならではの素朴な感嘆詞。普段は世界のスーパースターとして堂々と振る舞う男が、ほんの一瞬だけ故郷の空気をにじませた場面だった。
仙台育ちの私にとって、その響きはどこか懐かしく、説明抜きで胸に届いた。異国のスタジアムで耳にした東北の地声。160キロ級のボールで打者をねじ伏せる剛腕とは対照的な、飾らない素顔がそこにあった。
写真に収めたのは、雄たけびを上げながら全身で投げ込む大谷の一瞬だ。だが、レンズが切り取れないものもある。音でしか伝わらない感情があり、言葉でしか見えない故郷がある。
「あいや!」。その短いひと言は、ロサンゼルスの夜空に確かに響いた、大谷翔平というスーパースターの人間味そのものだった。
(ペン&カメラ・藤原寛奈)












