師弟で綱取りへ――。日本相撲協会は25日午前、大阪府立体育会館で大相撲夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇霧島(29=本名ビャンブチュルン・ハグワスレン、音羽山)の大関昇進を正式決定する。2年ぶりの大関復帰となる霧島は、師匠の音羽山親方(40=元横綱鶴竜)と二人三脚で番付の頂点を目指す。

 2019年9月、横綱鶴竜は霧島(当時は霧馬山)が所属する陸奥部屋へ転籍。2人の間に兄弟子、弟弟子の関係が生まれた。鶴竜は引退後の23年12月に独立し、音羽山部屋を開設。翌年3月に霧島が同部屋に合流し、師弟の間柄となった。その直後、5月の夏場所で霧島が首を痛めて大関陥落が決定。師弟の歩みは困難な状況からのスタートを余儀なくされた。

 春場所千秋楽(22日)に音羽山親方は「才能のある人を先代(陸奥親方)から預かって、絶対にこのまま腐らせて終わらせるわけにはいかないと常に思っていた」と振り返る。師匠としての経験も浅く「自分のアドバイスが良くなかったのか」と悩むこともあったという。試行錯誤を続ける中で、昨年秋には「中途半端にやるのが一番ダメ」と諭して弟子が奮起。復活の分岐点となった。

まわし姿で優勝パレードに臨んだ霧島
まわし姿で優勝パレードに臨んだ霧島

 霧島も23日の一夜明け会見で「親方の言葉がすごく力になった。大関から下がって『戻りたい』という気持ちで臨んでいたけど、勝ちたい気持ちが強すぎて体が動かない時があった。そこで『勝ちにいくんじゃなくて、勝負にいけ』と言われて。力が抜けて、いい相撲が取れるようになった。親方のおかげ」と師匠への信頼を口にした。もちろん、師弟にとって大関復帰は通過点にすぎない。

 音羽山親方は「大関に戻ることだけが目標じゃない。もう一つ上を目指したいという気持ちが、また湧き出てくれたら」。ここから頂点を目指す本当の戦いが始まる。