フィギュアスケート女子で2018年平昌五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ(23=ロシア)が顔面の毛細血管が破裂した問題の渦中に、主役&プロデュース&企画を務めるアイスショー「アソル」を開催したが、ずさんな運営を巡ってスタッフが告発する事態となっている。

 ザギトワは自身のテレグラムチャンネルで「顔の毛細血管が破れたんです」などと告白。体調が心配されたが、自身が主催するアイスショー「アソル」(8日、クラスノダール)にも無事に出演。肝いりのプロジェクトは成功したかに思われた。

 しかし、思わぬ騒動が勃発した。ロシアメディア「スポーツ24」は「クラスノダールのメイクアップアーティスト、イリーナ・トパルは、オリンピックチャンピオンのアリーナ・ザギトワのショーでの仕事の経験について明かした。彼女はショーのチケットと引き換えに無償で働いたが、結局ショーをきちんと見ることはできなかったという。食事も提供されず、当初の契約時間の3倍もの時間にわたって働かされた」と報じた。

 トパル氏は自身のインスタグラムで「アイスショーの仕事がいかにして私の3月8日を悪夢に変えたか」と切り出して、こう続けた。

「私はメイクアップアーティストです。地元のアイスパレスで開催される有名なフィギュアスケーターのミュージカルで仕事のオファーを受けました。登場人物にかつら、あごひげ、口ひげをつける仕事でした。仕事時間はたった3時間。こうしたイベントではよくあることですが、報酬の代わりにショーのチケットをもらいました。面白い経験になると思ったのと、以前似たようなショーに携わったことがあったので引き受けました」

 しかし、仕事は引き受けた条件と全く異なり「アーティストの衣装替えやメイク合間の休憩中に、舞台裏の小さなスクリーンでアリーナの様子を実際に見ることになるなんて…。そして3時間どころか9時間もセットにいることになるなんて、誰が想像したでしょうか」と訴える。

「まず、準備段階では何もかもが不明瞭だった。出演者が誰なのか、どんな容姿をしているのか、どの役を演じるのか、どんな衣装に着替えるのか、全く分かりませんでした。かつらや付けひげが誰のものなのかを覚えておくのも、見分けるのも本当に大変でした。出演者自身も分かっていなかったので、私は常に走り回って確認し、ミスをしないようにしなければなりませんでした。気まぐれでかつらを装着したがらない出演者もいました。また、遅刻する出演者もいた。ほぼ全ての仕事が一度に私の肩にかかってきました。文字通り4人分の仕事をこなしていました。念のため付け加えておきますが、これらは全て無償で、会場にはケータリングがあったにもかかわらず、食事は自分で持参するように言われました」と、ずさんで過酷な労働環境を暴露した。

 トパル氏が受けた心身のダメージは大きく「ショーが終わった後、私はただバスルームに閉じこもり、自分が背負わされたストレスと責任感から泣きました。ショービジネスの舞台裏がこんなものだと知っていたら、絶対に引き受けなかった」と怒りをあらわに。そして「時には、自分がだまされたことを認めなければ、教訓は学べない」と悲痛な訴えをキャプションにして強調した。

 ザギトワのアイスショーを巡る告発は、物議を醸しそうだ。