大先輩が〝喝〟だ。大相撲春場所3日目(10日、大阪府立体育会館)、横綱大の里(25=二所ノ関)が幕内藤ノ川(21=伊勢ノ海)に屈して3連敗。初顔の相手にノド輪で突き起こされ、強引に前に出たところを引き落とされた。横綱在位5場所で11個目の金星配給。初日から3連敗した横綱は2019年初場所の稀勢の里(現二所ノ関親方)以来で、師匠と同じテツを踏んでしまった。

 取組後は「(立ち合いは)良くないっすね」と渋い表情の一方で、体調面を問われると「大丈夫です」と即答。「しっかり準備してまた頑張ります。もう一回、しっかり気持ちをつくってやっていく」と出場続行の意思を示した。ただ、序盤に大きく出遅れて逆転優勝は極めて厳しい状況。これ以上負ければ、休場も現実味を帯びてくる。

 大の里は初日、引く悪癖が出て黒星発進。その翌日、師匠の二所ノ関親方と春場所の会場内で顔を合わせた芝田山親方(63=元横綱大乃国)は次のような言葉を投げかけた。「おい、何やってんだ。おまえから(弟子の大の里に)厳しく言ってやれよ。あんな相撲じゃダメだぞ。後ろに下がったら、何もやれないじゃないか」。同門の重鎮で先輩横綱の立場から、あえて苦言を呈した。

 一方で、二所ノ関親方には「大の里が負けたら、全勝する力士は誰もいないぞ」とも伝えている。かねて芝田山親方は、大相撲の中心を担う存在として大の里に期待。混戦模様が続く幕内の現状の中で唯一、全勝優勝が可能な力士として名前を挙げているほどだ。後輩横綱に向けた厳しい言葉も、期待の大きさの裏返しに他ならない。

 果たして大の里は、今回の大スランプを脱することができるのか。現役最多の優勝5回を誇る〝最強力士〟が、正念場を迎えている。