8日投開票の衆院選は高い内閣支持率を追い風に自民党が公示前198議席から3分の2(310議席)を上回る316議席を獲得。結党以来、史上最多となり、連立を組む日本維新の会と合わせて352議席の圧勝劇となった。不意打ち解散、大義なき解散と批判されながらも奇襲戦を制した高市早苗首相を元衆院議員の宮崎謙介氏は〝鉄の女〟サッチャー英首相になぞらえ、〝奈良の女・サナッチャー〟と評し、長期政権に太鼓判を押した。

 異例となる冬の超短期決戦を制したのは高市首相だった。通常国会の冒頭解散見送りはないと油断していた永田町は解散意向が伝わり、大慌て。身内の麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長にも事後報告だったため批判にさらされ、解散決意後も、「大義なき解散」「早苗のわがまま解散」と批判が上がった。選挙期間中も旧統一教会問題を巡る報道や「日曜討論」(NHK)をドタキャンするなどの騒動があったが、それでもフタを開けてみれば、中道は議席半数以下で解党的出直しを余儀なくされるほどの圧勝だ。

 宮崎氏は「少なく見積もって自民単独過半数と思っていたので正直、ここまでとは思ってなかった」と驚きつつ、石破茂前首相と比較し「ネガティブな報道があっても人気でねじ伏せた。石破政権はどちらかというとリベラル色が強かった。高市さんの保守色の強い毅然とした対応に対する期待」と評価した。

 単独で3分の2を超えたことで、少なくとも衆院では維新の手助けがいらなくなる。維新がポイ捨てされるとの見方もある。

 宮崎氏は「ここがポイントで維新には苦しい時に助けてもらった恩があるから、高市さんはソデにするような人じゃない」と連立は強固なものになると予想する。そのうえで「選挙ではこれまで他党を批判するとかあったけど、高市さんはどこの党も批判しなかった。元は仲間の公明党だけでなく、中道に対しても批判はしなかった。ただ自分のやりたい政策を愚直に訴えた」と義理堅い性格が人気を支えた要因と分析した。

 国民の信任を得たことで強さも加わる。宮崎氏は高市氏が目標とする〝鉄の女〟サッチャー首相に近づくと期待を寄せる。英国で最初の女性リーダーとなり、英国憲政史上最長の11年半にわたり首相を務めた。「党内基盤はもちろんのこと国外に向けても盤石になる。トランプさんは選挙を通ってきた強い人が好き。中国もこれだけ支持率の高い高市政権を無視はできない」と指摘。

 選挙中には勝利を確信したトランプ大統領が異例の〝高市推し〟の声明を出していた。高市首相は9日、「日米同盟の存在力は無限大だ」と感謝の言葉をXに投稿した。

 自民党総裁の任期は1期3年、連続3期まで務めることができる。石破氏の任期を引き継ぐ高市首相は最長で、2034年まで可能となる。

 宮崎氏は「しばらく解散する理由はないですし、長期政権もあり得ると思います。サッチャー首相のようにリーダーシップを発揮するでしょうし、サナッチャーですよ」とネーミングした。次の国政選挙は2年後の参院選となり、選挙に勝つことで、〝1強〟態勢を築いた師に当たる安倍晋三元首相の通算3188日(約8・7年)に迫る日も見えてくる。

 総裁選の時に「高市早苗、奈良の女です。ヤマトの国で育ちました」と切り出し、奈良時代の歌人・大伴家持の和歌を詠み上げた高市首相。「公約を確実に実行していく」と「強い日本」を取り戻せるか。