第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向け、韓国代表が一気に熱を帯びた。同大会に出場する各国の最終公式ロースターが5日(日本時間6日)、WBCIから発表。日本代表・侍ジャパンの同組となる韓国も、最終メンバーの30人が明らかにされた。

 韓国野球委員会(KBO)は同日にソウル市内のプレスセンターで会見を開いた。韓国メディア「OSEN」によれば、同国代表を率いる柳志炫監督(54=リュ・ジヒョン)が「主将」「正遊撃手」を名指ししながら〝1次ラウンド突破の設計図〟について力説していることを伝えている。

 焦点は、攻守の軸をどこに置くか。主将を任された李政厚外野手(イ・ジョンフ・27=ジャイアンツ)は、海外組も含む代表の「前面に立つ存在」としてチームの中心的存在になる。いわば〝迷うな、イ・ジョンフを中心に回す〟というベンチのメッセージは明快なようだ

 一方で、指揮官自身が「変数」を連呼したように理想形だった選手たちの合流が果たせなくなった中、遊撃は金周元内野手(キム・ジュウォン・23=NCダイノス)を主軸に据えつつ、非常時のオプションとしてシェイ・ウィットコム内野手(27=アストロズ傘下マイナー)の遊撃起用まで視野に入れた。短期決戦で「守れる形」を死守するための布陣である。

 さらに追い風にも逆風にもなるのが、海外組の使い方だ。WBC独特の「血統条項」で加わる投手ではデーン・ダニング投手(31=ブレーブス傘下マイナー)を先発・救援で両にらみとし、ライリー・オブライエン投手(30=カージナルス)は終盤の勝負どころで投入する構想を語った。海外組は時差対策までを織り込み「早めの合流」を想定するという。

 チーム編成に関しては当初想定していたトミー・エドマン内野手(30=ドジャース)が昨季終了の段階でWBC韓国代表としての大会参加辞退を表明するなど、何かと〝足かせ〟にさいなまれてきた感もあるとはいえ、どうにか細部まで極力詰めてきた印象だ。

 そして会見で一番の「衝撃案件」となったのは、韓国球界の将来を背負う右腕・文棟柱(ムン・ドンジュ・22=ハンファ・イーグルス)の落選だ。今大会参加については「右肩の痛みがぶり返し、休養が必要と判断された」という。総じて言えば次のWBCに臨む韓国代表は〝名前の派手さ〟よりも、初戦から勝ち筋を作るための配置と運用に重心を置いた格好のようだ。

 韓国はこの30人で、1次ラウンドを構想通りに突破できるのか。日本にとっても、1次ラウンドC組で3月8日に東京ドームで対戦する〝最大のライバル〟だけに、今大会に臨む韓国のメンバー構成は見逃せないだろう。