ジャーナリストの鈴木エイト氏の発言によって名誉を傷つけられたとして世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「UPF―Japan」(以下、UPF)が1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で東京地裁は28日、UPFの控訴を棄却し、一審の判決を維持した。

 旧統一教会問題をめぐっては安倍晋三元首相銃撃事件で山上徹也被告に無期懲役の判決が言い渡され、教団と政界の関係が再注目されるはずが衆院選(2月8日投開票)にかき消されてしまった。大義なき選挙と批判がある中、エイト氏は「今こそ争点にするべき」と提言した。

 訴状によると、エイト氏は2021年にUPFが韓国で開催した国際会議で安倍晋三元首相がビデオメッセージを寄せたことでUPF側から安倍氏に謝礼5000万円が支払われたと発言。UPFは社会的評価を著しく貶められたと主張した。この発言を含むエイト氏のツイッター(現X)での投稿内容についてUPFは名誉毀損で訴えたが、一審で名誉毀損は成立しないとして、請求を棄却していた。

 UPF側訴訟代理人は「エイトは5000万円を渡したことについて確たる証拠があると言っていたけど、それについては立証はされなかった。とっても残念な結果。上告するかどうかについては検討中です」とコメントした。

 エイト氏は「これで終わりではない。向こうは勝てるとは思っておらず、リーガルスレット(法的威嚇)を続けることが狙いなので戦いは続くと思います」と気を引き締める。

 旧統一教会問題は大詰めを迎えようとしている。年度内にも教団の解散命令に対する高裁の判断が下される見通し。韓国でも教団に捜査のメスが入り、その過程で教団と自民党との接点が書かれた「TM特別報告」が押収された。「TM特別報告」はすでに各メディアで報じられている通りだ。

 エイト氏は「このタイミングで選挙をやると当然、選挙一色になる。メディアからも選挙になったらTM特別報告も報道しづらいよねという声も聞きます。高市さん自体が争点にさせてくれないところがある」と指摘する。

 これまで自民党の裏金と旧統一教会問題をうやむやにされてきた。それだけに「問題に対してこうしますということについて選挙で審判するなら分かる。だけど比例重複を認めたりしている。裏金と旧統一教会をやる気がないというのが明白」と苦言を呈した。

 エイト氏は「争点が減税とかにブレている今こそ旧統一教会問題を争点にするべき」と改めて提言する。

「(旧統一教会との関係を認めた自民党の)斎藤洋明さんみたいに正直に答えて審判を受ける人もいる。そういう人は評価してあげたい。だけど、そもそも自民党が黙認してる。逃げ回っている人はちゃんと説明責任を果たすべきだと思いますね」と厳しい目を向けた。