【F1・角田裕毅 レッドブル苦闘の日々(2)】今季レッドブルで奮闘した角田裕毅(25)にとって、大きなターニングポイントになったのが5月の第7戦エミリアロマーニャGPだ。
角田は予選1回目の開始早々に、コーナーで縁石に乗り上げてスピン。猛スピードのまま激しく側壁に衝突すると、マシンは宙を舞って裏返しになり、角田は頭から地面に叩きつけられる格好となった。壮絶な大クラッシュに事故直後は角田の安否が心配されたが、マシンから自力で脱出して無事に生還を果たした。
角田は奇跡的に負傷もなかったが、このアクシデントの代償は大きかった。角田にはこのGPから最新型フロアが投入されたが、いきなり大きな損傷を負ったことで使用不能に。次戦モナコGPから旧型フロアの使用を強いられ、苦戦を強いられていくことになった。
また、サーキット外での騒動にも巻き込まれた。角田はフリー走行1回目で、フランコ・コラピント(アルピーヌ)に走行を妨害される形となり怒りをあらわに。この場面で角田が行ったジェスチャーがコラピントの母国アルゼンチンで非難の的になり、ついにはSNS上で人種差別発言を受けるなど大騒動に発展した。
深刻な事態を受けて角田は「もしこうした状況が続き、さらに悪化するのであれば、ある時点でF1は何か言うべきだ」と悲痛な訴え。するとF1を統括する国際自動車連盟(FIA)のベン・スレイエム会長が自身のSNSで、誹謗中傷や差別を断固容認しない方針を明らかにした。
さらに、レジェンドのルイス・ハミルトン(フェラーリ)も声を上げた。「F1TV」で「誹謗中傷、特に人種差別的な誹謗中傷は許されない」と表明。「われわれはただ毅然とした態度で、こうしたことに立ち向かう努力を続けなければならないと思う。ユウキが無事であることを願っている。これは本人だけではなく、家族にも影響すると思うから」と呼びかけた。そして「本当に重要なのは、私たちが加担してはいけないということだ。もしそのようなことが起こっているのを見たら、声を上げなければならない」と強く訴えた。
このレースを境に深刻な低迷が続くが、さらに角田を苦しめたのがたび重なる〝不可解裁定〟だ。













