【F1・角田裕毅 レッドブル苦闘の日々(4)】角田にとって去就を左右する重要なシーズン終盤には、なぜかチームに足を引っ張られるレースが続いた。
11月上旬のブラジル・グランプリ(GP)では、ペナルティーを受けた角田がピットインした際に、ピットクルーがペナルティータイムの消化中になぜか作業を始めてマシンに触れるというまさかの凡ミスが発生。角田にさらなるペナルティーが科されることになり、角田は完走中最下位となる17位に撃沈した。
続くラスベガスGPでも通常では考えられない出来事が起きた。予選で角田は19番手と低迷したが運転にはミスがなかった。すると予選後、ローラン・メキース代表が公式インタビューで「これは私たちのミスだ。彼のタイヤ空気圧に関して大きなミスを犯してしまった。私たちの責任だ」と異例の謝罪を表明。最高峰であるF1の舞台では考えられない素人レベルのボーンヘッドだった。
角田を巡るあまりにも奇妙な事態を受けて、英メディア「モーターサイクルスポーツ」は「レッドブルの衝撃的な失策が、ラスベガスのQ1で角田の悲惨な惨敗につながった」とチームを糾弾。さらに「ファンや専門家の間で、なぜこのようなミスが起こり得るのかという疑問を投げかけている」と強豪であるはずのレッドブルで、角田に絡むミスが続発している状況を疑問視した。
チーム内が角田をサポートする態勢は万全だったのか。そしてスタッフは角田のために一枚岩となっていたのか。大きな議論になった。
また、角田の命運は権力闘争に翻ろうされた側面もある。角田が緊急昇格した後、チーム全体に激震が走った。7月に入って長年指揮を執ったクリスチャン・ホーナー代表が電撃解任。後任には姉妹チーム・レーシングブルズからローラン・メキース代表が就任した。
さらにシーズン終了後には、重鎮ヘルムート・マルコ博士まで契約期間を残しながら退団が決定。レッドブルをけん引したツートップがチームを去る衝撃の展開は、主要株主間での権力闘争が背景にあるとマルコ博士は暴露している。そうした権力闘争が、角田の去就にも影響した可能性がある。
角田は自らの実力以外の部分でも悩まされることが多かったのだ。













