河村勇輝選手を育てた福岡第一高校校長代理で男子バスケットボール部監督の井手口孝氏が新著「人生のアシストパス 福岡第一魂」(青志社)を出版した。

「人生のアシストパス 福岡第一魂」(青志社)
「人生のアシストパス 福岡第一魂」(青志社)

 井手口氏は、1994年に福岡第一高校男子バスケットボール部を創部し、生徒と部員とチームの育成を第一に、今も日々奮闘。NBAやB.LEAGUE(Bリーグ)で活躍する選手を輩出している。

 著書では、教え子たちとのエピソードを通じて、生徒の未来を真剣に考える教育への思いや指導哲学が綴られている。

 また、2009~2014年までアンダー日本代表の指導にも携わり、富樫勇樹選手、馬場雄大選手、渡邊雄太選手、八村塁選手らの成長を見てきたという。

 井手口氏は「若き日の彼らは、バスケットボールを楽しみながら、うまくなるためにひたすらに課題に取り組んでいった。自分を信じて、先生や両親を信じて。アンダー時代の彼らは、八村君は別として、富樫君も渡邊君も馬場君も10年後に日本代表で主力になるとは想像していなかった。バスケットボールの指導者になってから40年以上、その時に一番優れていると思った選手がその後に順調に伸びて代表になっていったということはほとんどない」と語る。

 優れた指導者や両親に導かれるようにして…という見方は、結果論にすぎないという。自信を持って、選手たちの未来を語ることは難しいと実感している。

 井手口氏は「逆に言えば、誰にでも可能性はあるのかもしれない。今チームの中で正選手でなかったとしても、富樫君のようにスピードが増したり、渡邊君のように急に背が伸びたりすることがあるかもしれない。馬場君のように潜在能力は高いがまだ自覚できていないだけで、才能に気付き体をうまく使うことができるようになるかもしれない。河村もそうだ。今でこそNBAの舞台でスーパースターたちを相手にやり合っているが、中学時代に河村へ声をかけたのは私だけだった。だからこそ、アンダー世代は面白い」と明かす。

 現在、アンダーカテゴリー男子代表強化部会長を務めている井手口氏は「選手たちの成長への確信だけはぶらさずに指導育成していきたいと考えている」と話している。