【F1・角田裕毅 レッドブル苦闘の日々(5)】角田はレッドブルグループとの契約が2025年で満了だったため、シーズンが中盤を迎える夏場から去就問題が過熱した。

 移籍先にまず挙がったのが、角田を長年支援するホンダと26年からタッグを組むアストンマーティンだ。ただ、レジェンドのフェルナンド・アロンソ、オーナーの愛息ランス・ストロールとの契約があり、加えて新たなリザーブドライバーも早々に決まり、入る余地がなくなった。

 ハースも有力候補に挙がった。24年もオファーを出したとみられており、今季終盤には欧米のモータースポーツを扱う国際メディア「クラッシュ」がハース入りの可能性を報道。「トヨタは主要スポンサーとしてハースと技術提携を結んでいる」と指摘し、日本人ドライバーである角田の獲得に動くと可能性を伝えた。ハースを率いる小松礼雄代表と角田の関係は良好で〝チームジャパン〟の結成にも期待が高まった。さらに名門ウィリアムズからの関心も取りざたされるなど、F1界で角田に対する高い評価が浮き彫りになった。

フェルスタッペンと手を振る角田
フェルスタッペンと手を振る角田

 そうした中で〝本気〟だったのがアルピーヌだ。シーズンが終盤を迎えても、角田のアルピーヌ移籍は欧米各国メディアで盛んに報じられるなど最後まで有力な選択肢として残っていた。

 解雇もウワサされたフランコ・コラピントと昨年11月に入って結局、契約延長。ひとまず角田の来季移籍はなくなったが、獲得に向けた熱意はかなりのものだったようだ。

 大手自動車メーカー関係者は「本体のアルピーヌは日本市場の開拓に強い意欲を見せている。F1チームに角田選手を迎えることで、その人気や知名度を後押しにして(車の)販売につなげようとの考えがあるようだ」と指摘する。

 ルノー傘下のスポーツカーブランドであるアルピーヌは近年、日本での売り上げを着実に伸ばしている。日本市場でさらに攻勢をかけるため、抜群の人気を誇る角田に関心を寄せたというわけだ。

 こうした動きは来季以降の移籍を模索する角田にとって追い風になりうる。来季で契約満了を迎えるドライバーが多く、27年に向けて大シャッフルも予想されており、角田の去就問題は引き続き注目だ。