メッツが生え抜きスターのブランドン・ニモ外野手(34)を放出し、過去3度の球宴出場歴を誇る「マハカス」ことマーカス・セミエン内野手(35)をレンジャーズから獲得するという大型トレードで今オフの号砲を鳴らした。その衝撃はニューヨークだけでなく、ドジャース、ブルージェイズを巻き込む〝救援市場の大乱戦〟へと発展している。
インド系米メディア「スポーツキーダ」は、エドウィン・ディアス投手(31=メッツFA)を巡る三つ巴の争奪戦、さらにデビン・ウィリアムズ投手(31=ヤンキースFA)、ロベルト・スアレス投手(34=パドレスFA)を巡る各球団の水面下の動きを詳細に報じている。
まず焦点となるのが、メッツの守護神を務めたディアスだ。今季62試合で防御率1・63、98奪三振をたたき出した通称「悪魔のトランペット」は残り2年をオプトアウトし、再契約交渉に突入。しかしメッツ側が年俸および契約年数の大型化を避けたい事情から交渉は難航しており、その〝代替案〟としてウィリアムズ、スアレスの両投手の代理人とも複数回話し合いの場を持ったという。
ここに割って入ったのがワールドシリーズ連覇のドジャースと、雪辱に燃えるブルージェイズだ。両球団はディアス側に水面下でオファーを提示しており、メッツは一気に立場を追われる形になっているとみられている。今後ディアスが決断を下せば、メッツのブルペンは〝更地〟になりかねない危機に直面する。
そしてもう1つの火種が、メッツが「プランB」として狙うウィリアムズ。メッツが強行補強に動けば、同じくウィリアムズに関心を寄せるドジャースと文字通りの「正面衝突」となる。ドジャースは今季終盤で佐々木朗希投手(24)の台頭によって何とか救われたものの、再三にわたって固定化に苦労を重ねたクローザーの候補者を求めており、最強ブルペンの再構築は優先課題。ディアスのみならずウィリアムズにもラブコールを送っているともっぱらだけに、マネーゲームにおいてメッツが主導権を握れるかが今後の勝負の分かれ目となりそうだ。
一方、スアレスはパドレスとの契約破棄によりFA市場に再登場。年齢的な制約はあるものの、球威は健在で複数球団が興味を示している。救援市場は数年に一度の〝玉不足〟に陥っていることから、一枚でも欲しい球団には喉から手が出る存在だ。
今季から3年契約で古巣復帰を果たした絶対的守護神のジェフ・ホフマン投手(32)を抱えるブルージェイズも例外ではない。すんでのところで逃した悲願の世界一を来季こそ達成するためにも更なるブルペン強化が必要不可欠と踏んでおり、同メディアは「それこそブルージェイズ側はドジャースやメッツに負けじとディアス、ウィリアムズ、スアレスの〝総獲り〟を狙う勢いだ」とも伝えている。
メッツのニモ放出が呼び込んだ今回の大渦。メッツの再編、ブルージェイズの雪辱、ドジャースの3連覇構想――。その思惑が複雑に絡み合い、ストーブリーグは早くも〝魑魅魍魎の戦場〟へ突入した。果たしてディアス、ウィリアムズ、スアレスの行き先はどこになるのか。ブルペン市場の主役を巡る争いは、まだ始まったばかりだ。












