高市早苗首相の存立危機事態をめぐる発言で日中関係が緊迫化しているが、過去の首相はどう答えていたのか。

 問題となった発言は7日の衆院予算委員会で飛び出した。立憲民主党の岡田克也衆院議員が、約1年前の自民党総裁選で高市氏が中国による台湾の海上封鎖が発生した場合について、存立危機事態になるかもしれないと発言していたことを取り上げたのだ。

 政府見解を踏まえた答弁をしていた高市氏だったが、「戦艦を使って武力の行使を伴うものならこれはどう考えても存立危機事態になり得るケースと考えます」と答える場面があり、この部分を中国が問題視することとなっていた。

 どう対応していれば問題なかったのか。過去の答弁で注目されているのが岸田文雄元首相の回答だ。2023年1月30日の衆院予算委員会で岡田氏が岸田氏に存立危機事態について質問していた。台湾有事に限定した質問ではなかったが、まず岸田氏は存立危機事態の定義について「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによってわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と説明。

 具体的な事例を求められても、岸田氏は「安全保障の世界の常識でありますが、わが国の国民の命や暮らしを守る手だてを、手の内を明らかにするということですから、そうした細かい具体的な説明までは行うことを控えなければならない」と答えなかった。

 岸田氏とは逆に高市氏はやり取りのなかで話し過ぎてしまったわけだ。永田町関係者は「岸田氏は『検討する』という答弁が多いことから〝検討使〟というあだ名もありましたが、裏を返せば慎重だったということでもある。この慎重さが再評価されるかもしれません」と指摘した。

 高市氏にとって参考になる部分があるかもしれない。