便宜を図ってもらうために尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権側に金品を提供したとして、政治資金法違反などの罪に問われた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の総裁、韓鶴子(ハン・ハクチャ)被告(82)の公判準備手続きが27日、ソウル中央地裁で開かれ、12月1日に初公判が開かれることが決まった。

 韓被告は今年9月に逮捕され、今月10日に起訴されていた。旧統一教会と尹政権との癒着疑惑の中心人物である韓被告の裁判が本格的に始まる。

 初公判に先立ち証拠調べの計画などを確認する手続きで、出廷する法的義務がないにも関わらず本人が出廷した。弁護人は起訴内容を否認した。

 旧統一教会は同日の声明で「裁判手続きを尊重し真実を明らかにするために自発的に出席した。韓総裁は健康上の困難にもかかわらず、裁判の過程に誠実に臨もうとする真摯な意志を示した。人道的・医療的な観点からの理解と配慮をお願いする」と明らかにした。

 また旧統一教会は「現在提起されているさまざまな疑惑について、総裁本人および教団は一貫して『政治とは無関係であり、いかなる不法行為も指示した事実はない』と明らかにしてきた」と強調した。韓国の独立メディア「ニュース打破(タパ)」は、最近1か月、旧統一教会に潜入取材を行い、先日、その記事をサイトにアップした。

 9月22日の韓被告に対する拘束前被疑者尋問(令状実質審査)の日、集団祈祷会現場で信者たちは「ホーリー・マザー・ハン」と書かれたTシャツを着て、泣き叫びながら「真のお母様は今、審査を受けておられます。お母様をお守りください!」と天に祈りをささげた。

 しかし、9月23日、韓被告はソウル拘置所に収監された。

 ニュースタパは「集団祈祷会で目立ったのは、教会幹部が信者たちの〝口止め〟に動いていた点である。ある幹部は『われわれを倒そうとする者たちが望むのは分裂だ。家族が一つになることが必要だ。逆転の日と勝利の日は必ず来る』と結束を強調した」と報じた。

 韓被告は2022年4~7月、当時の教団幹部を通して、尹氏の妻、金建希(キム・ゴンヒ)被告=あっせん収財罪などで起訴=に高額のネックレスやバッグなどを贈った罪が問われている。

 また、同年1月には尹氏の側近で、保守系政党「国民の力」の国会議員の権性東(クォン・ソンドン)被告=政治資金法違反の罪で起訴=に1億ウォン(約1060万円)を渡した罪にも問われている。権被告の初公判は28日に行われる予定となっており、旧統一教会が新たな局面を迎えている。