アッキー案件だらけだ。トランプ米大統領が27日、約6年ぶりに来日し、天皇陛下と会見した。28日には高市早苗首相と日米首脳会談を行うほか、横須賀基地を訪問する。トランプ氏とのパイプを継続していたのが、安倍晋三元首相の妻・昭恵氏だ。ロシアや台湾訪問、宮城県知事選応援、山上徹也被告の裁判など各所で昭恵氏がキーパーソンとなっている。

 来日したトランプ氏は天皇陛下と皇居で会見し「高市新首相の下で日米関係をさらに強化していきたい。大変良い会談になることを期待する」と話した。トランプ氏の来日をアシストしたのが昭恵氏だ。

 3年前に安倍氏が死去した際に、沈痛な思いを寄せていたのがトランプ氏だった。国葬時には「世界は本当に素晴らしいリーダーを失ったが、彼の言葉や考えは決して忘れられない。とても寂しい。非常に親しい友人になり、シンゾーほど平和への情熱を持った人物はいなかった」と追悼した。その後、トランプ氏は折に触れて、昭恵氏と電話で連絡を取り、交流を続けていた。

 昨年、トランプ氏が大統領選を制した際、真っ先に面会したのも昭恵氏だ。12月にフロリダにあるトランプ氏の自宅「マール・ア・ラーゴ」を訪問し、トランプ夫妻と夕食をともにしていた。

「石破首相がトランプ氏との会談を調整していたが、計画が立たない中で、昭恵氏が真っ先に会い、官邸は泡を食っていたが、結果的に下地を作ったともいえる」(永田町関係者)

 昭恵氏の厚意で、トランプ氏には安倍氏が愛用したゴルフクラブも土産として用意され、滞在中に2人は面会する予定だ。

 昭恵氏のトップ外交はこれだけではない。今年5月にはロシアを訪問し、プーチン大統領と面会していた。ウクライナ侵攻後、プーチン氏が敵対視する欧米側関係者と交流すること自体が異例だが、日露関係の改善に努めた安倍元首相の功績を振り返る形で実現した。

 日本政府側はロシア側のプロパガンダに利用されていると警戒したが、昭恵氏は「様々なご意見があると思いますが、私は主人が27回の首脳会談を通してプーチン大統領と築いてきた信頼関係を無駄にしたくない…」(Xから)と意に介さず。

 安倍氏が熱を上げていた台湾にもたびたび訪問し、高市首相の就任後の今月22日には現地の安倍氏の銅像に献花。高市氏についても「主人も天国から高市総理を応援するものと思います」と〝所信〟を述べていた。 

 国内でも存在感は抜群だ。26日投開票された宮城県知事選では現職の村井嘉浩氏が6選を果たしたが、僅差で敗れた自民党前参院議員の和田政宗氏を支援したのが昭恵氏だった。生前、安倍氏が和田氏の面倒を見ていた関係から昭恵氏は「主人もきっとどこかで、和田先生に当選していただきたいと思っている」とビデオメッセージを寄せていた。村井氏には高市氏が応援していたことから、和田氏が昭恵氏を錦の御旗に掲げたことで、一気に差を縮めて、保守分裂選挙の様相を強める展開となっていた。

 28日からは安倍氏を殺害した殺人罪などに問われた山上被告の裁判員裁判が始まる。量刑が焦点となる中、昭恵氏は被害者参加制度で現在の心情を代理人に託した一方で「主人が亡くなり悲しいけれど、恨みは持ちたくない」と発言している。

「昭恵氏は公益財団法人『社会支援財団』の会長を務め、出所者を支援する活動に取り組んでいる。安倍氏が再チャレンジできる社会の実現を掲げていたこともあり『罪を憎んで人を憎まず』で山上被告も事実上、許したことで、裁判にも大きな影響を与える」(政界関係者)

 一連の昭恵氏の活発な動きに韓国紙は「日本の〝民間外交戦略資産〟」と報じた。全方位に自由気ままに行動する昭恵氏を制御することはできないとあって、プラスに働く場合はいいが、マイナスとなる可能性もあり、関係者は気をもむことになりそうだ。