大阪大学特任教授の坂口志文氏のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、「ノーベルウィーク」(6~13日)が幕が開けた。ノーベル賞にはノミネート発表がなく、受賞は〝唐突〟に発表される。そんな中、注目は10日のノーベル平和賞の発表だ。

 トランプ氏はかねてノーベル平和賞の受賞を望んできた。2009年にオバマ元大統領が受賞していることに腹を立てており、最近の受賞への熱意はむき出しだ。

 9月23日、国連総会でトランプ氏は「私がノーベル平和賞を受賞すべきだと皆が言っている」と胸を張った。9月30日にはワシントン近郊に集まった数百人の米軍幹部を前に「米国をノーベル平和賞に選ばないのは大きな侮辱となる」と強く主張した。

 また、ウィトコフ米大統領特使、ルビオ国務長官、ファイザー社のアルバート・ブーラCEOらがトランプ氏は受賞すべきという声を上げている。そのため、世界中のメディアが「トランプ受賞なるか?」と報じてはいるが、ほとんどが「可能性はゼロ」としている。

 米国事情通は「トランプ氏のあけすけな〝ロビー活動〟は、独立性を重視する授賞委員会にとって逆効果となる可能性が高いでしょう。そもそも、トランプ氏がウクライナ侵攻中のプーチン大統領との関係改善を試み、ガザの戦争でイスラエルを支持したことは、平和とは遠い行動です。また、米国を世界保健機関や気候変動に関するパリ協定、ユネスコなどの国際機関から脱退させました。高額関税で世界中と〝貿易戦争〟を行っています」と指摘する。

 また、ノルウェー・ノーベル委員会は、オバマ氏に与えてしまった前例を後悔しているとも。

「大統領就任9か月のオバマ氏をノーベル平和賞に選んだことが悪例となっているようです。成果ではなく変化への『希望』を理由にしていましたが、その後オバマ氏はアフガニスタンにおける軍事作戦の拡大を承認し、約3万人の兵力派遣と、イエメンとパキスタンへの米軍ドローン攻撃を承認しました。これにより、委員会は現役の政治家を選ばない方向になっています」(同)

 2025年のノーベル平和賞の有力候補には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連児童基金(ユニセフ)、赤十字、国境なき医師団、スーダンの緊急対応室など、94の団体を含む338が挙げられている。ブックメーカーの間では、昨年2月にロシア北極圏の刑務所で死亡した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の妻であるユリア・ナワリナヤ氏の人気が高いようだ。