WWE世界タッグ王者のフィン・ベイラー(44)が、日本大会「WWEスーパーショージャパン」(10月17、18日・両国国技館)を前に単独インタビューに応じた。新日本プロレス時代「プリンス・デヴィット」として一世を風びした男が語った日本のファンへの思い、そして再戦を熱望する恩師・棚橋弘至(48)へ伝えたい〝感謝〟とは――。

 ベイラーの来日は、5年ぶりの開催となった昨年7月の日本公演(大阪、東京・両国)以来となる。今年もタッグパートナー・JDマクダナとの凱旋となった。

「日本でパフォーマンスするのはいつもうれしいし光栄だよ。日本のプロレスファンは世界一だね。敬意もあり、よく勉強していて情熱的だ。それと、日本のファンの目はごまかせない。下手な選手はすぐバレるんだ。今は老いを感じているし、新日時代とはスタイルも違う。けれど日本時代のハイレベルなスキルを見せたいな。変わらない情熱とエナジーを届けたいよ」と意気込みを語った。

 アイルランド出身のベイラーは2006年4月に新日本プロレスへ入団。「プリンス・デヴィット」としてIWGPジュニアヘビー級王座を3度戴冠するなど輝かしい実績を残した。田口隆祐とのタッグ「Apollo 55」での10年「プロレス大賞」ベストバウト賞受賞や、ヒールユニット「バレットクラブ」立ち上げは今でもファンの語り草だ。14年4月・両国での田口とのシングルマッチを最後に新日本プロレスを退団。WWEへと籍を移し現在に至っている。

 そんなベイラーが「ずっと憧れだった」と名前を挙げたのが、来年1月4日・東京ドーム大会での引退を控える棚橋だ。「彼のことはリング外でも尊敬している。ヤングライオン時代、初めて新日のバスに乗った時に向かいに座っていた。緊張したよ、一番好きな選手が同僚になるなんて夢かと思ったよ」と思い出を語った。

「引退する前にもう一度戦いたい」と再戦に意欲を見せたベイラー。未定となっている引退試合の対戦相手を務めたいか尋ねると「それができたら最高だけど、俺はそんなにラッキーじゃないよ」と笑い飛ばした。しかし続けて「でもこの場を借りて棚橋さんに言葉を送りたい。素晴らしいキャリアでした。新日の外国人レスラーに良くしてくれてありがとうございます。飯塚さん、ライガーさん、永田さん、みんな温かかった。家族みたいな仲間がサポートしてくれたから、リングでの過酷さにもすぐ適応できた。言語もわからない遠い国に住むのは怖い。だけど新日本は俺を温かく迎えてくれた。ずっと感謝している」とメッセージを送った。

 世界を股にかける〝天空の貴公子〟はライオンの魂を忘れていない。

☆フィン・ベイラー 1981年7月25日生まれ。アイルランド出身。2006年4月に新日本プロレス入門し、同月にエル・サムライ戦でデビュー。「プリンス・デヴィット」のリングネームで活躍。10年6月に丸藤正道を破り、IWGPジュニアヘビー級王座を初戴冠。14年4月に新日本プロレスを退団し、WWEに入団。「フィン・ベイラー」へと改名する。16年8月WWEユニバーサル王座初代王者となる。180センチ、86キロ