東京・足立区でキッチンカーを使ってベビーカステラを販売する男性に対し、「明日もここで商売したら店をぶち壊す」などと言ったとして、警視庁西新井署は20日までに、暴力行為等処罰法違反(集団的脅迫)の疑いで、指定暴力団「極東会」傘下組織代表の40代男ら3人を逮捕した。どうしてベビーカステラにこだわったのか。

 ベビーカステラとは球状でふわふわした小さなお菓子のこと。縁日ではベビーカステラの露店は定番となっている。いくら人気とはいえベビーカステラをめぐって暴力団が因縁をつけてくるとは穏やかではない。

 男らは1月2日、西新井大師近くの駐車場でベビーカステラを販売していた男性(49=当時)に「俺たちは西新井でベビーカステラは1店舗しか認めてない」などと脅迫した疑いが持たれている。3人は容疑を否認している。

 男性が1月3日にもベビーカステラを販売したところ、キッチンカーに消火器を噴射される被害を受け、西新井署は関連を調べているという。

 一体どういう背景があるというのか。元暴力団関係者は「極東会は、的屋(テキヤ)組織として知られています。的屋のほとんどは暴力団ではありません。一方、暴排条例でお祭りなどに暴力団系的屋は露店を出せなくなり、シノギが減っています。そのような的屋は暴力団であることを隠し、露店を出すようになっています。そんな中、西新井大師の初詣客相手に露店を出せたのだとしたら、暴力団にとっては大きなシノギなのでしょう」と指摘する。

 そして、縁日の露店といえば、お好み焼き、たこ焼き、ベビーカステラなどが人気だ。

「暴力団は、原価がタダみたいに安くて、それなのに高く売れるものが大好きです。だから、お好み焼き、たこ焼き、いか焼き、焼きそば、焼きうどん、ベビーカステラなどの〝粉もん〟が好きです。今は原価が上がっていますが、それでも小麦粉メインの食べ物はほかのものと比べて原価が安く、消費期限が長く、それなのにソースなどで見た目を盛れる。そして、匂いで集客できます」(同)

 そして、ベビーカステラは粉もんの中でも人気が高いという。

 同関係者は「ベビーカステラは、原価率が低く、利益率が高い。客層が広い。紙袋に入れて提供するので、持ち運んでも汚れることがなく、客に買われやすい。タコなどの生ものを使わないので、冷蔵庫もいらないし、材料の日持ちがいい。何より、焼き台だけあれば作れます」と語る。

 たしかに祭りなどでベビーカステラの露店には行列ができていることが多い。甘い匂いに誘われてより行列が伸びる可能性があるだけに、こだわるわけだ。