大相撲に佐渡ヶ嶽部屋に所属していた元三段目力士、柳原大将氏が師匠だった佐渡ヶ嶽親方(元関脇琴ノ若)と日本相撲協会に計約508万円の損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁松戸支部は27日、請求を棄却する判決を言い渡した。
日本相撲協会によると、原告の柳原氏側は(1)「協会と佐渡ヶ嶽親方が新型コロナウイルス感染への不安を理由とした休場を認めず、引退を選択せざるを得なくなった」(2)「変色し異臭もする肉を食べることを強要された」ことなどから慰謝料や損害賠償を請求。さらに「稽古が私刑として行われていた」などと主張していた。
協会と佐渡ヶ嶽親方は(1)について「佐渡ヶ嶽親方が柳原氏に対し、出場か引退かを迫った事実はなく、協会に確認した上で、診断書を出さずに休場することができる帰郷扱いについても説明していた。引退は柳原氏が自らの意思で決断したものだ。柳原氏はそれ以前から引退の意向を示しており、新型コロナウイルスとは関係がない」と反論した。
(2)についても「佐渡ヶ嶽親方が変色や異臭のする肉を食べるよう強要した事実はない。柳原氏が証拠提出した肉の写真は、部屋の冷凍庫を掃除した際に出てきた冷凍焼けした肉を解凍し、汁を切ってから捨てるために置いていたところを撮影したものであり、悪意をもって撮影されたものだ」と主張した。
また、柳原氏が主張する私刑についても「力士を強くするための厳しい稽古をつけることはあるが、柳原氏が主張するような組織的リンチのような稽古は、一切なかった」と否定。判決でも「(原告が)兄弟子から厳しい稽古を装った制裁を受けたと評価すべき事実や、兄弟子からまげを掴んで引き起こされる、口に含んだ水を霧状にして原告の顔に吹きかけられる、腹の上に乗られて体重をかけられ、足で蹴って土俵の外に追い出される、口に塩や砂を詰め込まれるなどの暴行を受けた事実があったと認めることができない」などと結論づけられた。
この日の判決を受けて、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「原告の不当な請求をすべて退けた、裁判所の賢明な判断に敬意を表します。今後も力士の育成、大相撲の伝統文化の継承に尽力いたします」、佐渡ヶ嶽親方は「(主張が)事実と認められてホッとしている」とコメントした。
一方の柳原氏は自身のX(旧ツイッター)で「今回の裁判、客観的証拠が不十分として全ての内容が棄却(負け)されました。もっと証人の数と動画や録音などの証拠があれば認めさせることが出来たのかも知れませんが今回の判決ではこのような形になってしまいました…。負けても仕方ないと目の前であった事をみんなでありのまま言おうと裁判をしましたが結果はダメでした」などとつづり、控訴については「もう少し弁護士と考えて上に上げるか決めようと思います」と記した。













