F1カナダ・グランプリ(GP、15日=日本時間16日)で発生した、レッドブルの角田裕毅(25)などが絡んだ〝疑惑の裁定〟が海外で波紋を広げている。

 角田はフリー走行3回目(FP3)で、赤旗中断中にすぐ前を行くオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が破損した部品を散乱させながら走行していたため、安全を考慮して追い抜きを行った。しかし規則では赤旗中は追い抜き禁止のため、セッション後に10グリッド降格という異例の厳罰が下り、予選11番手だった角田は最後尾スタートが決定。これが大きく響いて、決勝では懸命に追い上げたものの12位に終わった。

 この不可解裁定が物議を醸す中で、決勝ではさらなるアクシデントが発生。レース終了間際にセーフティーカーが出動し、チェッカーフラッグ後もシグナルは表示されたままだったが、7人もの選手がチェッカーフラッグ後に前の車を追い越してしまったのだ。

 しかし、角田と同様のケースにもかかわらず、いずれも警告止まりの〝激甘処分〟。角田はレース直後にチームの無線で「特に昨日、赤旗であのばかげたペナルティーを僕が受けたんだから、今回は彼らにペナルティーを与えるべきだ」などと怒りを爆発させていたが、結果的に処分が甘くなったことでF1ファンの間で大きな議論を呼んでいる。

 SNS上では、角田を擁護して国際自動車連盟(FIA)の〝ダブルスタンダード〟を問題視する声が殺到。米ニューヨークのファンは「ブーッ! レース後にルール違反をしても問題ないのに、角田裕毅が練習中にマシンの安全を確保しようとしたら、10グリッド降格ペナルティーだなんて。全くのデタラメだ」、英国のファンは「まるでジョークだな。FIAは文字通りルールを恣意的に適用している。なぜ角田はペナルティーを受けて、他のドライバーは受けないのか?」とFIAの判断を糾弾する意見が続出。さらに「ダブルスタンダードすぎる」「スポーツに対する茶番劇と言えるだろう」などと辛らつな意見が多い。

 角田は不振が続き更迭論が高まっているだけに、不可解裁定は命取りになりかねない。次戦のオーストリアGP(決勝29日)は、親会社レッドブルの本拠地。角田にとっては絶対に負けられない一戦となりそうだ。