フリースタイルスキー男子モーグルで2022年北京五輪銅メダルの堀島行真(27=トヨタ自動車)に〝王者〟の風格が漂っている。今季の世界選手権(3月、スイス)はモーグルで金、デュアルモーグルでも銀メダルを獲得。8季ぶりの2冠は逃すも、26年ミラノ・コルティナ五輪を前に自信を深めるシーズンとなった。そんな堀島が単独インタビューに応じ、24年パリ五輪で金メダルを獲得したあのアスリートへの思いや、3度目の祭典に懸ける胸中を明かした。

インタビューに応じた堀島行真
インタビューに応じた堀島行真

 金メダル候補として挑んだ2018年平昌五輪はまさかの11位で失意に暮れたが、22年北京五輪では銅メダルを奪取。1つの成功体験がミラノ・コルティナ五輪イヤーを迎える上で、大きなプラスとなっている。

 堀島 北京は平昌の失敗のイメージがあったので、不安要素はもちろんありました。でも、どうやって五輪でメダルを獲得するか、金メダルに届かせるかに重きを置いたことで、北京ではメダルを取れました。その経験がベースになっていて、さらに何をアップデートしていくかが明確になっているので、北京の時より本番まで何をやっていくかが見えています。

 新シーズンに向けては適切な滑走日数を調整するなど、金メダルへの最適解を模索。さらに練習環境が充実したノルウェーに拠点を移したことが、より一層の進化をアシストしている。

 堀島 どうやってよりスキーにフォーカスしていくかを考えた時に、ノルウェーだと夏でもスキーができる場所にいるので、滑走日数を稼ぐことができています。今季使ったコーク1440(斜め軸で体を4回転ひねる大技)は日本だと夏の間はウォータージャンプに飛び込んで練習するけど、雪上で練習できていることが世界選手権の結果とかにつながったと思います。

 全ては金メダルを手にするため――。同じ治療院(株式会社SSSAスポーツマッサージ治療院)に通う、陸上女子やり投げの北口榛花(JAL)はパリ五輪で金メダルを獲得。トラック&フィールド種目で日本女子初の快挙を成し遂げた姿は、頂点への思いを強くさせた。

 堀島 僕が目指している金メダルを取っているので、うらやましい気持ちもあるが、僕もしっかりと追いつきたいなという気持ちもあります。そんなに簡単ではなかったということも聞いているけど、金メダリストと同じ取り組みを僕にも提供してもらっていることは、自信にもなります。もちろん北口さんが金メダルを取れたから僕も取れるわけじゃないけど、金メダルを取りたい気持ちはやっぱり強いですね。

 世界選手権で左ヒザを負傷したものの、現在は夏の雪上練習復帰を目指してリハビリに励む日々。完全復活で〝五輪2冠〟という未知なる領域に足を踏み入れるか。(インタビュー・中西崇太)

来年のミラノでも大技を決められるか(ロイター)
来年のミラノでも大技を決められるか(ロイター)

 ☆ほりしま・いくま 1997年12月11日生まれ。岐阜県出身。両親の影響で1歳からスキーを始め、小学4年から本格的にモーグルに取り組む。2017年世界選手権で男子史上初となるモーグルとデュアルモーグルの2冠を達成。18年平昌五輪では11位に終わったが、22年北京五輪では銅メダルに輝いた。W杯通算22勝は日本歴代最多で、昨季は初の総合優勝を果たした。今季の世界選手権はモーグルで金、デュアルモーグルで銀メダルを獲得。22年11月にモーグル選手だった輝紗良さんと結婚した。170センチ、66キロ。