ジャーナリストの鈴木エイト氏の発言によって名誉を傷つけられたとして世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「UPF―Japan」が1100万円の損害賠償を求めた訴訟で東京地裁は14日、UPF―Japanの請求を棄却する判決を言い渡した。

 訴状によると、2021年にUPFが韓国・ソウルで開催した国際会議で安倍晋三元首相がビデオメッセージを寄せたことを巡り、エイト氏がUPF側から安倍氏に謝礼5000万円が支払われたと発言し、社会的評価を著しく貶めたと主張。この発言を含むエイト氏のX(旧ツイッター)での投稿、講演会、雑誌のインタビュー内での発言の6つの発言について名誉毀損を訴えていた。

 東京地裁は6つの発言すべてにおいて名誉毀損は成立しないと判断し、UPF―Japanの請求を棄却した。

 エイト氏は「基本的には、こちらの主張をすべて認められた」と完全勝訴を報告。一方で「明らかなSLAPP訴訟であって、(勝つことを目的としておらず)提訴した段階で目的を達成している。訴訟に関してはお金もかかるし、時間もかかる。こちらのリソースをかなり奪われている」と厳しい表情を浮かべる。

 エイト氏は旧統一教会サイドから3件の訴訟を起こされており、今回は2件目の訴訟。エイト氏は「教団サイドは3件の訴訟を『エイト三部作』と揶揄している。当然控訴してくるでしょうけれども、こちらとしてはひるむことなく、変わらず主張していきたい」と意気込んだ。

 SLAPP訴訟が乱発される現状についてエイト氏は「言論封殺のために訴訟が乱用されている。これを止めないと大変なことになる。僕は報道に関わる立場ですけど個人に対してもどんどんやっている。日本でも反SLAPP法の制定が必要だと思います」と警鐘を鳴らした。

 UPF―Japan側訴訟代理人は「エイトがSNSで流した安倍元首相に対する5000万円の支払いは、何の証拠もないデマだった。悪意の誹謗に対して名誉毀損を認めなかった判決には大いに疑問がある。控訴の予定だ」とコメントした。