モンスターは弱点を露呈したのか――。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32=大橋)が4日(日本時間5日)に米ラスベガスで行われたWBA同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)との防衛戦で8ラウンド(R)TKO勝ち。ただ、2Rにはプロ2度目のダウンを喫して不安も感じさせた。今後に控える難敵ぞろいの〝勝負の3連戦〟では、強さを発揮できるのか。元世界王者が徹底分析した。

 井上はカルデナス戦の2R、昨年5月に対戦したルイス・ネリ(メキシコ)と同じカウンターの左フックで生涯2度目のダウンを奪われた。それでも7Rにダウンを奪い返し、8Rに猛ラッシュを仕掛けて試合を終わらせた。これで世界戦通算23KOとし、元世界ヘビー級王者ジョー・ルイスの記録を77年ぶりに更新した。

 激闘を終えた井上は「全体的なボクシングもそうだけど(カルデナスが)すごく対策してきているのを一番感じた。僕が見ていた映像とは全く違うカルデナスだった」と率直に振り返った。

 井上のダウンシーンについて、元WBO世界ミニマム級王者の福原辰弥氏(35)は「今回のカルデナスは右の方に入った後に左フックが出てきていたので、ものすごく見づらいパンチではあると思った」と分析する。

 その上で「ネリ戦と今回の試合だけで、左フックが弱点と判断するのは難しいと思う。今までの対戦相手でも左フックが上手な選手がいたと思うし、そこを当てきれない相手が多かったので。ただ、同じようなパンチで倒されているので、今後試合する相手は弱点だと思うだろうし、そこを狙ってくる選手はいるはず」と指摘した。

 今後は9月にWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、12月にWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国)、来年5月にはWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T)との対戦が見込まれている。

 福原氏は「井上選手がカルデナスをなめていたわけではないだろうけど、どちらかと言うとアフマダリエフやボールの方が危険な選手という認識はあると思う。そんなに戦い方を変える必要はないけど、いつも以上に慎重に(試合に)入ると思う」と展開を予想した。

 その上で「井上選手の次にスーパーバンタム級で最強と言われているアフマダリエフと、フェザー級に上げてボールとの試合で通用するのか。そこで実際に年齢の衰えや、〝階級の壁〟があるのか試されると思う」とし、モンスターの真価が問われる試合に位置付けた。

 井上は難敵を相手に、改めて怪物ぶりを発揮できるのか。