モンスターが異例の“警告”――。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32=大橋)はWBA同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)との防衛戦(4日=日本時間5日、ネバダ州ラスベガスのT―モバイル・アリーナ)に臨む。2日(同3日)に公式会見に出席した井上は決戦への意気込みを語った上で、挑戦者に対して「挑発はしないように」と注文を付けた。
決戦2日前。Tシャツにジャケットを着用しサングラスをかけて登壇した井上は4年ぶり3度目となる米国での戦いに「前回(21年)前々回(20年)とコロナ禍、パンデミックの中での試合だったので今回T―モバイル・アリーナで試合するのが一番の違い」とし「米国で、これだけ大きな会場(約2万人収容)で試合ができるというモチベーションもあります」と意欲を示した。
4団体統一王者は「シンコ・デ・マヨ(メキシコの祝日)という日に試合をすることで、当日の雰囲気がわからず(メキシコ系米国人のカルデナスとの対戦で)アウェーになるかもと予想もしている。どんな雰囲気の中で試合をするのか楽しみです」とし「一つ望むのであれば、しっかりとしたボクシングを見せた上で、中盤ノックアウトというのが一番いい形の終わらせ方と想定してます」と語った。
さらに自身の長所について「パワーというところをものすごく言われがちですけど、ディフェンスだったり、距離感だったり、当て感が自分の中では突出しているのかなと思います」と話すと、1月に対戦した金芸俊(韓国)から“来い”と挑発するポーズをされると、そこから一気にKOしたことに「ちょっとイラッとしましたけど、瞬時に倒してやろうとは思いましたね」とし、カルデナスに向けて「挑発しないように」と警告した。
井上にとって米国での試合は、さらに世界へアピールするための舞台でもある。米国到着後から「しっかりしたボクシングを見せたい」と語っていたように、自身のスタイルや技術などを広く知らしめたいという野望を秘める。このため序盤からカルデナスに挑発されると、自身のボクシングを披露する前に倒してしまう可能性もあり“自粛”を求めたといえる。
会見後にはカルデナスとフェースオフ。井上はガムをかみながら目の前に立った挑戦者を17秒ほどにらみつけるも、お互いに目を離すと笑みを浮かべていた。井上は挑戦者について「非常にまとまった選手であると思うので当日は自分にとってもいいボクシングができるんじゃないかと期待しています」と強調した。
カルデナスにKO勝利すると世界戦23KOとなり、元世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(米国)を抜いて単独世界最多。また4度目の4団体同時防衛となり、こちらも世界最多タイ記録となる。
井上は9月にはWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との対戦が正式決定。12月にはWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国)、来年春にはWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T)との対戦が内定している中、今回も豪快なKO勝利を見せてくれるはずだ。
【勝てば100年後まで名前残る】一方、挑戦者は準備万端を強調した。26勝(14KO)1敗という成績のカルデナスは井上との対戦に向けて「タフな試合になるのはわかっている。井上はパウンド・フォー・パウンド(階級差のない最強ランキング)でトップボクサーだ。しかし準備はできている」と“世紀の大番狂わせ”に意欲を示した。その上で「お金はいつかなくなってしまうものだが、世界王者になれば100年後も名前が残る」と強調。最強王者に対して「良い試合をしよう」と呼びかけていた。












