大相撲夏場所は11日、東京・両国国技館で初日を迎える。今場所は大関大の里(24=二所ノ関)が自身初の綱取りに挑戦する一方で、横綱豊昇龍(25=立浪)も新横綱で休場した先場所の雪辱を狙っている。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(41=本紙評論家)による連載「がぶりトーク」では、夏場所を展望。賜杯争いのキーマンには、大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)を指名した。
【秀ノ山親方・がぶりトーク】読者のみなさん、こんにちは! まもなく始まる夏場所では、何といっても大の里の綱取りが一番の見どころです。3月の春場所は持ち前の馬力を生かして、どんどん前に出る相撲が光っていました。この力士はスケールの大きさが魅力だし、先場所を含めて優勝を3回経験していることも強み。連覇するだけの力は持っているし、その可能性は十分にあるとみています。
あとは四つに組んでからのもう一段の厳しい攻めと、低く攻められるとまともに引いてしまう課題を克服できるかどうか。場所前の稽古が特に大事になってくると思います。大の里に稽古場で心掛けてほしいのは、相手の出方を探るようなことはせず、持てる力を出し切ること。横綱になるような力士は、手の内を隠す必要はないと思うので。相手の心を折るぐらいの厳しい稽古をして、自信を持って本番に臨んでもらいたいですね。
豊昇龍は先場所、本来の力を発揮できないまま途中休場となりました。新横綱だったこともあり、序盤には硬さもあった。勝ちたいと焦る気持ちから、強引な攻めも目立ちました。今場所は横綱の地位に慣れて落ち着きが出てくるはずだし、悔しさをエネルギーに変えることができる力士。豊昇龍と大の里が中心となって、場所を引っ張っていくと予想します。
それから、優勝争いのキーマンには琴桜を挙げたい。綱取りに挑んだ初場所は5勝10敗、春場所もカド番で8勝7敗と振るいませんでした。この2場所は結果を求めるあまり、攻め急いで中途半端な相撲になっていた。もともと前さばきがうまく懐も深い力士。どっしりと構えて取れば簡単に負けることはないし、自分の形になるまで辛抱することも必要。それができれば、優勝争いに割って入ってくるはずです。
私の目から見て、取組前のルーティンも見直す余地があると感じています。琴桜は最後の仕切りで、険しい表情をつくる。もちろん気持ちの入れ方は人それぞれですが、琴桜はタイプ的に違うような気もするんですね。あれで余計に肩に力が入ってしまう面もあるのでは。気迫を前面に出しすぎず、闘志を内に秘めて淡々と…。今とは別のやり方を試してみる価値はあると思います。
最後に、先場所で惜しくも優勝に届かなかった高安についても触れておきます。35歳になりましたが、地力という点では今でも誰にも負けないものを持っている。本当に、賜杯まではあと一歩のところ。本人は何度でも挑戦してやるという気持ちでしょうし、久しぶりの三役に戻った今場所は期するものがあるはず。体調さえ整えば、悲願達成のチャンスはあると思います。今回も横綱大関陣を脅かす活躍で、場所を盛り上げてもらいたいですね。それではまた!












