世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)が参入を計画するフェザー級で、ライバル同士の駆け引きが活発化している。

 WBC&WBO世界フェザー級1位ブルース・キャリントン(米国)が29日、米ラスベガスでエンリケ・ビバス(メキシコ)に勝利。プロキャリアでKO負けのない相手を3ラウンド(R)TKOで下し、強烈なインパクトを与えた。

 試合後にキャリントンは「(フェザー級)チャンピオン全員のベルトが欲しい。(WBA王者の)ニック・ボール? あの王座が欲しい。WBA王者のスティーブン・フルトン? ああ、欲しいね」などと語り、世界戦へ意欲を表明。同選手は、かねて井上との対戦も希望している。

 キャリントンの試合後の発言を受けて、ライバルも反応。WBC王者のフルトンは自身のX(旧ツイッター)で「彼はいいファイターだけど、正直に言って世界戦を要求している以外、(有力選手の)誰とも戦ったことがない。昨夜の試合で彼はディフェンスの形もなく、ただそこに立っていただけだった。みんなは彼のような男が倒されると叩くが、正直なところ、誇大広告の宣伝をしているようなものだ」と皮肉った。

 米専門メディア「BOXINGNEWS24/7」は、フルトンの投稿を引用しながら「キャリントンの戦歴には、有名な名前が一切ない。トップランクのプロモーターたちがキャリントンに缶詰の食べ物を与えて、裏口から世界タイトル戦を獲得しようと巧みに操っているようだ」と同調する。

 一方で「BOXINGNEWS24」は「キャリントンがフルトンを指名しても、うまくいかないだろう。フルトンにはもっと良い選択肢があるし(一昨年に対戦した)ナオヤ・イノウエがフェザー級に階級を上げれば、彼を待つことでもっと多くの金を稼げるからだ。イノウエを相手に大金が稼げるのに、なぜ27歳の有望選手と戦いたいのだろうか?」と別の角度から指摘した。

 いずれにせよ、多くのフェザー級有力選手の念頭に、井上尚弥の〝影〟があることは確か。モンスターの本格参戦まで、熾烈な覇権争いが繰り広げられることになりそうだ。