ホロ苦い本拠地デビューだ。ドジャース・佐々木朗希投手(23)が29日(日本時間30日)のタイガース戦に先発し、1回2/3を61球、押し出しを含む4四球を与える2失点の乱調。2戦連続の制球難で米メディアから酷評されまくり、ドジャー・スタジアムのファンにまでブーイングを浴びせられる異例の事態となった。それでもチームは我慢強く成長を見守るが、怪物の「成長痛」をどこまで我慢できるのか。
2回途中でマウンドを降りる際、5万1788人(主催者発表)の大観衆をのみ込んだ客席の一部からは「Boo!」の声が飛んだ。それほど期待の高さと投球内容はかけ離れたものに映ったのだろう。
試合後の佐々木が「シンプルに技術不足。信じきれるもの(球種)が今日はなかった」と話したように、初回だけで41球を要した。2回も2四球を与え、投じた61球のうちストライクはわずか32球。序盤から球数がかさめば長いイニングも投げられない。開幕間もない時期である上に、MLBではルーキーだ。首脳陣は球数に一定程度の制限を設ける必要があり、デーブ・ロバーツ監督(52)は自らマウンドに足を運んで「今日はここまでだ」と降板を告げた。
昨オフのFA市場で目玉の一人だった佐々木には、20球団が獲得に名乗りを上げた。結果的に大型補強を連発するドジャースに入団して「密約説」が再び取りざたされたが、キャンプを順調に過ごしたことで辛口の米メディアも無風状態だった。ところが、メジャーデビュー戦(19日、東京ドーム)の3回5四球(1失点)から改善が見られない内容に、一気に〝ハリケーン〟と化した。
「エッセンシャリースポーツ」は「23歳の天才日本人はMLBで通用するのか?」と早くも実力を疑問視。米専門局「CBSスポーツ」では「制球難再び。ドジャー・スタジアムデビューで2回を投げ切れず」と速報されるなど各メディアで制球難を徹底的に突かれた。米ファンのバッシングもすさまじく「MLBにいる資格はない」「ビビッてんじゃねえ」など散々な言われようだった。
そんな暴風もロバーツ監督は自らが防波堤となるように「彼は若い選手で、これからどんどん良くなっていく」「先発投手が2試合続けて苦しむことは珍しくない。うちはいいチームであり、彼のことも必要」と全力でフォローした。
佐々木がドジャースを選択したことは「正解」だったかもしれない。そもそもロッテ時代も年間を通じて先発ローテーションを守れたことがなく、自身も〝未完成〟であることを認めている。
何といっても佐々木が少々ブレーキをかけたところで、チームは開幕から5連勝だ。この日はMVPトリオの一角を占めるベッツが休養のため欠場したが、強力打線が奮起。佐々木の黒星を帳消しにし、救援陣は1失点で抑えて7―3で逆転勝ちした。
米スポーツ専門メディア「アスレチック」は佐々木の乱調ぶりを「成長痛」と報道。「今のところ」の注釈つきながら「ドジャースは耐える覚悟」と伝えている。サイ・ヤング賞を2度獲得したスネルをローテに加えるなど攻守で戦力補強を進め、余裕をもって佐々木を育成できる環境を用意していたためだ。
同メディアは「佐々木の成長痛をカバーし、日本でこなしていた週1回の(登板)スケジュールを維持できる選手層がある。彼を熱烈に追いかけたどの球団よりも、我慢する余裕があると売り込んだ」と評した。
佐々木の次回登板は4月5日(同6日)のフィリーズ戦が予定される。巨大戦力に守られてはいるものの、チーム状態が悪化すればいつ我慢の限界を迎えるかは分からないだけに、剛腕の力量が試される。











