ジャーナリストの伊藤詩織氏が監督を務めた映画「Black Box Diaries」について許諾なしで使用されている映像があるなどの指摘をしている伊藤氏のかつての弁護士らが20日、都内の日本外国特派員協会で記者会見した。

 会見に出席したのは伊藤氏が元TBS記者から性的暴行被害を受けた件の民事訴訟を担当した西廣陽子弁護士と角田由紀子弁護士、そして杉田水脈元衆院議員に対する損害賠償請求訴訟を担当した佃克彦弁護士の3人。

 同映画は2015年に元TBS記者から受けた性的暴行被害とどう戦ってきたかを記録したドキュメンタリーで、米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされるなど世界的に話題となっている。

 しかし、3人によると、同映画にはホテルの防犯カメラの映像がホテルの許諾なしで使用されていることや、捜査官とタクシードライバー、弁護士らの映像や音声が無断使用されているという。このため、弁護士らはそれらの部分について修正することを伊藤氏に求めている。

 特にホテルの防犯カメラについては裁判に利用するためだけにホテルが裁判所に提供したもので、ホテル宛ての誓約書には伊藤氏と西廣弁護士が署名捺印していたという事情もある。その防犯カメラの映像が使われたままの試写を見たという西廣弁護士は「数年前から伊藤さんと私との通話内容が無断で録音・録画されていることをこの日(試写の日)に知りました」「ズダズダな気分にされたその瞬間でした」と、さらなる衝撃を受けたという。

「この会場にこれ以上いることは耐えられなくなり、そそくさと会場を出ました。エレベーターが来るのを待っていると、伊藤さんが通りかかり、『先生、また相談させてください』と言ってハグをされました。私はなされるまま彼女にハグをされ、エレベーターが来ると適当に言葉を交わし、その場を去りました。私には彼女のハグを拒否する気力すらありませんでした」(同)

 西廣弁護士は8年半にわたり伊藤氏の弁護を担当してきた。「8年半もの長期にわたり一緒に戦い、信じていた人の問題点を指摘しなければいけないこのつらさに私自身が押しつぶされそうです」と嘆いた。