ジャーナリストの伊藤詩織氏が20日、自身が監督を務めた映画「Black Box Diaries」について許諾なしで使用されている映像があるなどの指摘について文書で説明した。
同映画は2015年に元TBS記者から受けた性的暴行被害とどう戦ってきたかを記録したドキュメンタリー映画で、米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされるなど世界的に話題となっている。
この日、伊藤氏は日本外国特派員協会で記者会見に臨む予定となっていたが、伊藤氏の発表した文書によると「体調不良によるドクターストップ」ということでキャンセルとなっていた。
同映画には伊藤氏の元弁護士らから、ホテルの防犯カメラの映像がホテルの許諾なしで使用されていることや、捜査官とタクシードライバー、弁護士らの映像や音声が無断使用されていることなどが問題として指摘されていた。
伊藤氏は文書で警察が被害届をなかなか受け取ってくれなかったことや、仕事を休職せざるを得なかったこと、容疑者の逮捕が直前でストップされてしまったことなど、被害そのものよりも被害後の社会に焦点をあてたと説明。「社会や法がどれほど、性被害サバイバーに寄り添うかで、サバイバーのその後の回復のスピードは大きく変わってきます。性暴力は『被害者』個人の問題ではなく、『社会』の問題なのだと心から感じました」と映画の意義を強調した。
一方で無断使用の指摘に対しては、「証拠集めの過程のなかでリスクを冒してまで証言してくださった、タクシードライバーさんドアマンさんには心から感謝しています。彼らは私にとってヒーローです」と説明。また、「映画には当初、ドアマンの証言を直接聞けた直後に連絡した、西廣弁護士との電話の『ホテルが止めに入るかもしれない』というアドバイスの音声が入っていました。ご本人への確認が抜け落ちたまま使用し、傷つけてしまったこと、心からお詫び申し上げます」と謝罪した。
ホテルの防犯カメラについては「映画への使用について、ホテルからの承諾は得られませんでした。そのため映画では、外装、内装、タクシーの形などを変えて使用しています」と加工をしたという。一方で加害者と自身の動きが映っている部分については「一切変えることはできませんでした。それは事実を捻じ曲げる行為だからです」と主張。「これに対してはさまざまな批判があって当然だと思います。それでも私は、公益性を重視し、この映画で使用することを決めました」と訴えた。












