フィギュアスケート男子で2010年バンクーバー五輪7位入賞の織田信成(大阪スケート倶楽部)が〝年長者の意地〟を見せつけた。
11年ぶりの出場となった全日本選手権初日(20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)のショートプログラム(SP)では、4回転トーループ―3回転トーループの連続ジャンプ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、3回転ルッツを着氷。「マツケンサンバ2」の軽快なリズムに合わせ、会場を盛り上げた。
演技後に大粒の涙を流した織田は「家族も見に来ていたし、大阪からたくさんの友達とかもみんな応援しにも来てくれてたし、何より37歳でSPで4回転を絶対決めるぞという気持ちで臨んでいたので、それが成功できてすごいうれしかった」と声を弾ませた。
今大会には年齢がひと回り以上離れたジュニア選手も出場。「若い子選手たちのような回転の速いジャンプとかスピンとか、体力、肉体的にキレのある動きはなかなかできない」と口にする一方で「フィギュアスケートは技術だけじゃなくて、芸術も争うスポーツ。芸術というのは僕の場合、氷の上で自分がしっかり楽しむ、それをお客さんが楽しんでくれるのが僕の1個目指すフィギュアスケートのスタイル」と熟練者ならではの視点で己を磨いている。
試合前には家族から「頑張ってね」とメッセージをもらい、妻からは「これで最後やし、思いきり楽しんで」とエールを送られたという。
家族の前で会心の演技を披露した織田は「本当にしっかり楽しめた。日頃は子供たちが学校行く前に練習に行ってたりとかしていて、自分がどういうふうに1日を過ごしているとか全然知らないと思うので、子供たちにはこういうのを頑張っていたんだと伝えられたかな」と充実の表情を浮かべた。
大ベテランの部類に入るが「年齢はただの数字だと思っているし、そう言い聞かせることで本当にそうなんだと。年を取ったからといって、できないことはないと言い聞かせてやってきた」と心の若さは健在。21日のフリーでも会場を織田色に染め上げる。













