レジェンドの再来だ。大相撲夏場所千秋楽(26日、東京・両国国技館)、新小結大の里(23=二所ノ関)が関脇阿炎(30=錣山)を押し出し、12勝3敗で初優勝を果たした。初土俵から所要7場所は史上最速。新三役の優勝は1957年夏場所の安念山以来で67年ぶりの快挙だ。横綱輪島を輩出した地元・石川も〝後継者〟の出現に歓喜。今から「輪島超え」の期待が高まっている。
大の里は表彰式の優勝インタビューで「昨年の5月にデビューして1年後に幕内優勝することは想像していなかった。目標を達成できてうれしい」と喜びもひとしお。「上へ上へと精進して頑張りたい。強いお相撲さんになっていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。
石川・津幡町出身の大の里は日体大時代に2年連続アマチュア横綱に輝き、昨年夏場所で幕下10枚目格付け出しデビュー。昭和以降3位の所要4場所で新入幕、同2位の6場所で新三役となるなど驚異的なスピード出世を重ねている。
その大の里の地元には、番付の頂点に上り詰めた大スターがいる。七尾市出身の第54代横綱輪島だ。輪島は日大で2度の学生横綱に輝き、花籠部屋へ入門。1970年初場所、幕下付け出しで初土俵を踏んだ。73年に学生相撲出身で初めて横綱に昇進し、歴代7位となる14度の幕内優勝を達成。「黄金の左」「蔵前の星」と称され、横綱北の湖とともに「輪湖時代」を築いた。
輪島の遠縁で「しのぶ会」の瀬戸三代氏(68=七尾市議会議員)は、今場所の〝大器〟の活躍に「大の里は地元、石川の大ヒーローになっている。もともと津幡は相撲に熱心な人が多くて、小さいころから大の里は強くて有名だった。(大の里も)『輪島関が憧れで目標』だと言ってくれているみたいだし、我々も大いに応援したい気持ちが強い」と声を弾ませる。
その大の里は新三役の場所で12勝を挙げ、大関取りの起点を築いた。そこに「優勝」も加わったことで、来場所で連覇などの好成績なら一気に大関昇進の機運が高まる可能性もある。瀬戸氏は「輪島関よりもスピード感があるのでは。輪島関は『大関は通過点や』と言って一気に(横綱まで)駆け上がった。(大の里も)すぐに大関に昇進するのでは」と大きな期待を寄せた。
石川出身の横綱は、第6代横綱阿武松と輪島だけ。瀬戸氏は「石川出身の横綱は2人しかいない。輪島関は美しい横綱で、すごく人気があった。七尾でも『大の里は輪島を超えるような横綱になってほしい』という声がある。大の里が横綱になれば県内でとんでもない扱いになる。石川のシンボルになってほしい」とエールを送った。
輪島は年6場所制以降では最速の初土俵から所要21場所で横綱昇進。今の勢いなら、優勝回数も含めて「輪島超え」の実現も不可能ではなさそうだ。












