恩師も感激だ。大相撲夏場所千秋楽(26日、東京・両国国技館)、新小結大の里(23=二所ノ関)が関脇阿炎(30=錣山)を押し出して、12勝3敗で初優勝。初土俵から所要7場所の優勝は史上最速記録となった。新小結の優勝は、1957年5月場所の安念山以来67年ぶりの快挙だった。

 石川県出身の大の里は、新潟・糸魚川市の能生中と海洋高に相撲留学して6年間、田海哲也総監督(63)の指導を受けた。教え子の歴史的Vに、恩師は「本当に立派。15年前に(同校で)指導者を始める時に、冗談で『教え子が幕内最高優勝したら、死んでもいい』と言っていたら、現実になった。それぐらいすごいことを中村泰輝(大の里)がやってくれた」と満面の笑みを浮かべた。

 当時は生活面でも厳しく指導していたようだ。田海氏は「教え子からすれば、自分は目の上のたんこぶだったと思う。『あいさつ、返事、言葉遣いとかちゃんとやれよ』『スリッパをそろえなさい、次の人が履く時、気持ちいいでしょ』とか、口うるさく言っていた。目をつぶる放任(主義)だと、自分自身の子供に対しての愛情が欠ける。妥協しなかったし、生徒は大変だったと思う」と振り返った。

 さらに「今の部員は自転車通学が許されているけど、当時は片道2キロ半、往復で毎日5キロ歩いて学校に通っていた。雨が降るし、新潟だから雪や風もあって寒かったと思う。当時は携帯電話(の持ち込み)もダメだった」と過去の環境を明かした。

 優勝インタビューで大の里は、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から「優勝しても喜ぶな」と言われたことを明かした。田海氏は「まだ先がある。師匠が言っていたように気を引き締めて、次の場所もしっかりと結果を残して大関に駆け上がってほしい」と大きな期待を寄せた。