【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#559】1861年4月12日から1865年4月9日にかけて勃発したアメリカ南北戦争。多くの紛争が巻き起こったその中でも、1863年9月19日から20日にかけてテネシー州とジョージア州の州境で起こったという「チカマウガの戦い」は、最も血生ぐさい戦いの一つとして知られている。
その死傷者数は、南北戦争において事実上の決戦となった激戦「ゲティスバーグの戦い」に次ぐほどであったと言われている。そして、この戦いが終結して以後、奇妙なウワサもささやかれるようになっていった。
チカマウガの戦いの後、その累々とした遺体の間をうごめく奇怪な怪物のようなものを目撃したという報告が相次いだという。証言によると、その怪物は姿が人間に似ており、不気味な緑色に光る目と巨大な変形したアゴを持っており、そこから鋭いキバが突き出ていたというのである。
その特徴から、その怪物は報告する人々たちによっていつしか「グリーン・アイズ」(オールド・グリーン・アイズと表記される場合もある)と呼ばれ、知られるようになった。かつての戦いであまりに多くの人々の血が流れたがために、悪意を持った邪悪な存在が引き寄せられてきたのではないか、とまで言われるほど恐れられたのだ。
そして、南北戦争が終わって100年以上もの時間が経過した近年において、土地との縁を持ってしまったためであるのか、国立公園としてその姿を変えたこの地でグリーン・アイズの目撃が再び報告されるようになったのだ。
事例としては、公園に訪れた者やレンジャーによって緑色に光る目の存在と遭遇したという報告がなされたほか、公園近くを走行していた自動車が道を外し大破する事故が2件も発生しており、それぞれのドライバーが緑色に光る目のようなものを目撃したという。
さらに1976年、パークレンジャーのエドワード・ティニーさんが午前4時ごろ公園を巡回していたところ、突然の悪寒が彼の体を襲った。次の瞬間、緑色の目が暗闇から現れたというのである。
彼の説明によると、その存在は女性のように長い髪で、目は緑がかったオレンジ色にギラギラ輝いており、歯がキバのようにとがっていたという。どうすればいいのか立ちすくんだままの彼であったが、その時、近づいてきた車のヘッドライトによって照らし出されたことで怪物は去って行ったそうだ。
グリーン・アイズの正体については、虎や大きな人影の誤認など諸説挙げられている。ある人類学者は、何千年にもわたって先住民に伝わってきた古代の伝承が、説明のつかない出来事、もしくは悲劇に対する根拠への理由付けとして変形したものではないかと考えている。
戦争において、奇怪な存在の出現や奇妙な出来事といった類いの話はよく聞かれるものである。グリーン・アイズは、そうした人間が極限状態にいる中で生み出された幻覚だったのか、それとも戦死した人間の霊が変質した異形の存在なのだろうか。













