俳優・原田龍二(51)の人生哲学とは――。30日に公開を控える任侠映画「虎の流儀」(連続2作公開)で主演を飾れば、6月には小説「精霊たちのブルース」で作家デビュー。さらに、登録者17万人強のユーチューブチャンネル「ニンゲンTV」では、心霊マニアの一面をのぞかせている。いったい原田を突き動かしているものは何なのか? 大いに語ってもらった。
――主演映画では、義理人情に厚いが、怒りが沸点に達すると“虎”のごとく暴れ回るヤクザ・車田清を演じる。役の第一印象は
原田 感情移入できる役だな、と。何の弱みもない、完璧な人間を描いたドラマもありますが、そういう人間よりはスネに傷があったり、不器用さを持ってる人間のほうが演じていて楽しいですね。
――役柄と自分の似ている点はあるか
原田 不器用さ。この人、器用に生きてきてないなと。体当たりで転がり続けて生きてきた人だと思いました。人生は違うけど、ジャンル分けすると同じ枠にカテゴライズされると思います。
――主人公の清には、任侠組織の“オヤジ”や兄貴分など慕う存在がいる。原田さん自身が精神的に慕う方はいるか
原田 水谷豊さんですね。一人ひとりを分け隔てなく尊重する方です。世の中には社会的に偉い人とそうでない人がいるけれど、どんな人にも敬意を持って接する。僕もそういうふうに生きているつもりですが、水谷さんから学んだことかもしれないですね。人間としてかっこいい方です。
――「虎の流儀2」では違った見どころがあるそうだが
原田 世界観は同じなんですが、「2」はクライマックスの爆破シーンやカーチェイスとか、体を張った場面が多いです。特に、ある男と真冬の海に落ちるシーンは「死んだら困る」って散々止められました(笑い)。
――「ある男」とは
原田 相手は、これ言っちゃって大丈夫ですよね? TKOの木下くんです。周りは本当に心配して、救助ダイバーとかも何かあったときのためにスタンバイしてくれて。船も15隻くらい使って撮影しました。実は、「2」ではCGを一切使っていないんです。爆破も本物の火薬を使っている。そこはプロデューサーのこだわったところです。
――6月には「精霊たちのブルース」で小説家デビューした。書こうと思ったきっかけは
原田 20年前、(テレビ番組のロケで)ベネズエラのジャングルに行った体験がもとになっています。ヤノマミ族という裸族の集落に1週間ほど滞在して、族長から「お前が自分の国に帰ったら、こういう人間が住んでるということを伝えてくれ」と。その約束をずっと温めていて、ようやく果たせました。
――その族長にも小説を読んでもらいたい
原田 読んでもらいたいですね、かなわない夢ですけど。定住している人たちではないので、もう違うところに住んでいるかもしれないし、バラバラになってしまっているかも。族長も見た目からは年齢が分からなかったんですが、そんなに長生きできない場所でもあるのかな、と思ったり。
――冒険好きの原田さんはUMA好きでも有名です。一番会ってみたいUMAは
原田 やっぱりビッグフット、イエティですね。人間に近いから仲良くなれる気がしています。
――「ニンゲンTV」でも心霊スポットの取材が多い。幽霊との意思疎通の可能性を探っているのか
原田 見るだけだとつまらないでしょ。UMAも幽霊も、何かコンタクトを取りたいんです。
――俳優業から作家、動画配信までマルチに活躍される原動力は
原田 大原則として、人生は一度きりですよね。僕、一日一回はそのことを考えてます。いま埼玉の浦和に住んでいて、仕事に行く途中いろんなことを考えるんです。「今モンゴルの遊牧民族は何をしてるんだろう」とか、浮世離れしたことを(笑い)。夫でも父親でも役者でもない部分の自分ですね。一度の人生をどう生きるか、っていうのがテーマです。
☆はらだ・りゅうじ 1970年10月26日生まれ、東京都出身。92年、ドラマ「キライじゃないぜ」で芸能界デビュー。95年の「日本一短い『母』への手紙」で、「第19回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。映画「大奥」や、NHK大河「利家とまつ~加賀百万石物語~」、テレ朝系「相棒」など多くのドラマに出演。












