「アジの干物を作りに行かない?」

 山仲間であり、某グルメ雑誌の編集長から、そんな誘いを受け、二つ返事で春の伊東へGO。これまで色んなアテを作ったけど干物は初めて。それもさばくところから体験させてもらえるなんて。

 そして向かったのは、伊東駅から徒歩10分程度の場所にある『島源商店』。着いてすぐに汚れ防止のレインコートに着替え、作業場へ。干物作りのプロの指導の元、見よう見まねで早速アジをさばいていく。む、難しい…。魚はいつも行きつけの鮮魚店でさばいてもらっているので、魚を触ること自体、ほぼ初心者な私。友人らがスイスイと何枚もさばく中、私は眉間にしわを寄せながら、ようやく1匹開き終えた。それもグッチャグチャに(恥)。レシピ本も出しているというのに、何という失態。干物開き体験だからいいものの、バイトだったら即クビに違いない。

プロに教えてもらいつつ挑戦
プロに教えてもらいつつ挑戦

 約1時間後、友人らが30枚開き終える中、私は13枚と惨敗。開いたアジはすべて干物にして送ってもらえるので(配送料は有料)、存分に元は取っているが、ちょっぴり悔しい。次回のためにも、自宅で練習し、リベンジしてやると密かに誓った。

 私が開いたアジは売り物には絶対できないが、自宅用なら十分。スタッフの方が歯ブラシできれいに内臓を洗ってくれ、8%の塩水に漬けた後、天日干しで干物に仕上げてくれる。一般的な塩味の他、希望により、バジル入りのハーブ塩を使ったハイカラな干物にしてくれる。慣れない作業をして熱い鼻息が出たが、アジを開く作業は、まさに“無の境地”。極めればアジ・マスターになれるかも(知らんけど)。

 アジの開き方を丁寧に教えてもらった上に、自分が卸したアジはすべて干物にしてもらえるという『島源商店』の干物開き体験は1人3630円(税込み・要予約)。午前と午後の部があり、団体も受け付けてくれる。見た目がどんなに悪かろうと、自分でおろしたアジの味は格別。静岡の銘酒『磯自慢』に合わせたら、際限なく飲んでしまいそう。春真っ盛りの伊東で、温泉と日本酒を楽しみつつ、海が見える店で干物を自作。全力でおすすめしたい。