日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、後輩力士への暴力行為が発覚した幕内北青鵬(22=宮城野)と、指導する立場にある師匠の宮城野親方(38=元横綱白鵬)に対する処分について協議した。

 宮城野親方は、委員から年寄への「2階級降格」と「報酬減額20%、3か月」の懲戒処分とすることを決定。一方で、北青鵬に関しては前日22日の時点で本人から引退届が提出されており、これを協会側は受理。理事会では懲戒処分の「引退勧告」に相当する事案だったことを確認するにとどめた。

 相撲協会のコンプライアンス委員会が21日にまとめた報告書によると、一昨年7月から昨年12月にかけて、北青鵬が後輩力士2人に対して週2~3回の頻度で暴行。「顔面、背中及び睾丸への平手打ち等の暴行」「殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした炎を体へ近付ける暴行」など、日常的に暴力が振るわれていた実態が明かされた。さらに「(後輩力士が)痛がる反応を見て面白がっていたとも認められ、卑劣極まりない」と指摘。さらに、今年の初場所中には「ロールスロイスで場所入りをするなど、まったく反省の態度が認められない」と強く非難した。

 その上で、コンプライアンス委員会は「北青鵬を相撲協会の協会員として残すという選択肢はないといわざるを得ず、懲戒解雇処分も検討すべき事案というべきであるが、いまだ22歳という年齢とその将来を考慮し、引退勧告の懲戒処分が相当」と処分案を結論づけた。

 一方で、この日の理事会では、北青鵬の行為が「引退勧告」に相当する事案だったことを確認するにとどめ、正式な懲戒処分はなし。理事会の場に本人を呼び出すこともしなかった。前日22日に北青鵬側から引退届が提出されており、これを協会が受理したためだ。

 角界では過去にも、2017年に横綱日馬富士が幕内貴ノ岩に対する暴力行為の責任を取る形で引退。2018年には幕内貴ノ岩が弟弟子に暴行を加えた責任を取って引退した。いずれも協会の処分が決まる前に自ら引退届を提出し、協会が受理。正式な処分を免れている。かねて角界では、師匠と本人が決めた進退の判断を尊重するのが慣わし。今回の北青鵬も、その慣例に従った格好となった。