【銀の盾に聞いてみた】2007年から新メンバーの加入・メディア出演を経てなお活動の勢いを増すダンスパフォーマーグループ「リアルアキバボーイズ」をインタビュー。後編では昨年末の紅白出演で得られた経験・感覚や、ワンマンライブに込めた思いについても赤裸々に語ってもらった。

 ――中編でも触れましたが、やはり「アイドル」(YOASOBI)でコールを担当した反響は大きかったようですね。

 DRAGON うれしかったのはオタクの人たちが「何でRABなんだ!」とはならずに、「RABなら納得」って言ってくれたことですね。

 けいたん ワンチャン炎上する可能性はありましたから。YOASOBIさんに迷惑をかけるかもしれないっていう…。

 DRAGON 「スター☆ドラフト会議」の時には、「本当のオタクじゃないだろ」っていう疑いの目もあったので。僕らは偽物としてやっているわけではないですし、同じオタクの人が背中を押してくれたのはうれしかったですね。

 とぅーし 紅白の前も、「アイドル」のコメント欄に「RABも一緒に出てほしい」って書き込みがあったりして。そう予想してもらえたのも、その期待に応えられたのも良かったというか。

 ――出演された紅白歌合戦は、いわば最も多くの日本人が見るステージでした。相当緊張されたのではないですか?

 ゾマ リハの時点でものすごい緊張してて…。

 マロン 僕もめちゃくちゃ緊張しましたね…。

 けいたん 自分はどうやってダンスを成立させるかに必死だったかな…。カメラにどう抜かれるのかっていう会話や調整をしていましたね。

 あつき 自分は結構分析が好きなんで、俯瞰的に見られた気がして…。

 ――と言いますのは…

 あつき 紅白出場者って、錚々(そうそう)たる面子の人たちじゃないですか。ワンマンでドーム公演ができる人たちばかり集まっているわけで、じゃあ僕らとその人たちの明確な差は何だろう、とか。うまく言えないですけど、そういう人たちは佇まいだけで〝異次元感〟〝非現実感〟がすごかったので。いまだにそこは考えさせられていますね。

 ――最前線を目撃したということですね

 けいたん 最前線でしかなかったですね、あの舞台は…。

 ――冒頭では「おジャ魔女カーニバル!!」の踊ってみた動画と同じダンスを披露されていたと思うのですが

動画の冒頭を紅白出演時に応用
動画の冒頭を紅白出演時に応用

 けいたん 画角に入った時にどう存在感を出すかという話をずっとしていて。ぱっと見の分かりやすさで最初は「おジャ魔女」にしようということになりました。その後は回ったり飛んだりというか、RABのスキルが分かりやすいものを構築していきましたね。

 ――いわばRABのハイライト、ということですね

 DRAGON そうですね、あの短い時間で。

 あつき 僕らの人生を全部詰めました。

 DRAGON ただ、今びっくりしたのが、横でムラトミさんが「なるほど…」みたいな感じで聞いてて…。

 あつき すみません、ムラトミさんの集中力は持って30分なんで…。

 ――そうですね、それでは…

 ムラトミ ちょっと何!(立ち上がって)東スポさん僕に喧嘩売ってる!?

(一同爆笑)

 けいたん 一番東スポの取材って聞いて喜んでたのはムラトミさんだったからね。

 ――ちなみに映像は後日確認されましたか?

 ネス もちろん皆で一緒に見ましたよ。後は親やダンス仲間からも、メッセージが集まって。テレビを直撮りした写真を添付して、「映ってたよ、良かったね!」って。

 ――高校生だった龍さんは残念ながら出演されませんでしたが…

 DRAGON 年齢的に放送時間がどうしてもね…

 あつき だからいつかこの舞台に帰って来たいねという話はしました。

 けいたん ダンスで流行した曲を表現するという出演の仕方はなかなかないので…。RABとしてまた出演できたら感無量だよね…。

 ――ここからはさらに深掘りさせていただきますが、近年〝ライト〟なオタクの方が増加したことは、活動に影響していますか?

 マロン ファンの中には意外とオタクじゃない方とか、ある作品しか知らないという方も結構いますね。ただそれはすごくいいことかなと。コアになればなるほど排他的になりますし、ちょっとでも知っていれば「アニメ好き」と言っていい時代になったなと思います。

 けいたん 今はサブスクで気軽に見られるし、皆がハマりやすい作品も増えたので、そこを入り口に僕らを知ってくれているのかな。

 ――その中で、RAB伝統の「チェック」の衣装は今後も続けますか?

 あつき 正直、脱ぎたいっす。

(一同、一斉に崩れ落ちる)

 あつき 今はどんな見た目の人でもオタクだったりするので、ある意味僕らは〝絶滅危惧種〟になっていて。でも視覚的に分かってもらうために最適のユニフォームだなとは思ってます。最初は番組側に用意された衣装だったチェックシャツが、成り行きでここまで来たので。今は勝負する時はこれ、って感じですね。

チェックシャツはRABの「勝負服」に
チェックシャツはRABの「勝負服」に

 ――そして今年開催されるパリ五輪ではブレイキンが採用されました

 DRAGON 小学校でダンスを習うこともあって、踊ることが一般化したのかなと思いますね。自分たちがブレイクダンスの楽しさ、すばらしさを伝えられるよう動いているところに、オリンピックがすごくいいタイミングで来て、本当にラッキーだったなと感じます。最近はRABを見てダンスを始めましたという声もあってすごくうれしいですね…。

競技シーンでも活躍中のDRAGON
競技シーンでも活躍中のDRAGON

 ――また海外という点では、エッフェル塔の前、マーライオンの前といった、国外の観光地でもダンスを撮影されています。現地の方はどう反応されているのですか?

 マロン 基本的に喜んでくれますけど、皆正面からダンスを見たいので、撮っているカメラの真後ろに立っていることが多いですね。

 けいたん 一番すごかったのは、撮影が終わった瞬間、隣でプロポーズが始まったことですね。観客の皆さんも、ふと横を向いた瞬間「婚約してるやないか!」って盛り上がって。

フランスの凱旋門前でダンスを披露することも
フランスの凱旋門前でダンスを披露することも

 ゾマ 僕らはカンボジアでコスプレして踊りましたけど、珍しい目で見られた反面、終わった後の反響は良かったですね。

 とぅーし 黄色い全身タイツで「ピカチュウです」って歩いてたら、筋骨隆々なお兄さんに「Yeah」って言われて…。

 ネス 変わった動物が来た、みたいな感じで見られてたよね。

 ――貴重なエピソードありがとうございます(笑い)。それでは最後に2月からのワンマンライブについてもお聞きします。まずタイトルの「Over The Future」にこめた思いを教えてください。

 けいたん まずコロナ禍を抜けられたというのは僕らにとって大きくて。特にESPICEは加入してすぐはライブもできないし、撮影も満足にできなかったので。

 ゾマ 正直閉塞感はありましたね。

 けいたん それでもバンドと組むスタイルが4年目を迎えて、龍、ジュニオールズ(若年層ダンサーを中心とした新チーム「REAL AKIBA JUNIORZ」)も加入したので。これはRABも次の未来に行かないとダメだと。全体的に「かなりキてる 無敵のパワー」(可憐Girl’sの楽曲、「Over The Future」」の冒頭)があったという感じですね。未来に向かって、そしてその未来を超えようと。

ライブに向けて準備も進行
ライブに向けて準備も進行

 ――ぜひESPICEの皆さんが感じるライブの見どころも教えてください

 ゾマ リハをやっていて、すごい立体感のある演目が多いなと感じますね。全体の緩急で、ジェットコースターのような感覚を味わっていただけるんじゃないかと思います。とにかく〝ダイナミック〟です。

 とぅーし バンドやボーカルの皆ともかなり長く一緒にやっているので、ダンスも演奏もお互いに完成度が上がっているんです。だから1つのパッケージとしての完成度と自由度の高さは、かなり〝未来〟に来ているなと感じますね。

 ネス あとはこれまで演出上諦めるしかないねとなっていた曲を、できるようにしたのが今回のライブなので。今までになかった組み合わせ・構成も実現できているのかなと思います。

 ――このワンマンから始まる2024年は、どのような1年にされたいですか?

 DRAGON 去年にレベルや知名度がツーステップくらい上がった分、そこから見られる景色もあると思うんですよ。去年の末からムラトミさんも、負けっぱなしだったギャンブルが好調になってきているので。その波にも乗っかりながらね。

 ムラトミ(不敵な笑みを浮かべながら)やっちゃいますか…!

 DRAGON まあ調子乗るとダメなんで、そこはひたむきに頑張りつつ…。新たな出会いも生かして、また年末に〝爆発〟させられたらいいなと思いますね。

 ムラトミ 僕ら9人がワイワイやっている活動にも「元気をもらっています」という声をいただいているので。ライブに来てくれた方や、動画を見ている方に感謝を伝えられるように、そしていい笑顔を見せられるように頑張っていきたいです。

 マロン それと2023年はYOASOBIさんの力で知ってくださる方も多かったと思うんですけど、今年は自分たちの力を高めて大きな舞台に立てるように、「攻める年」にしていきたいですね。

 ――それでは最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします

 あつき 僕らは武道館でのワンマンライブと、活動をアニメ化するということが最大の目標です。そのためにも2024年最初のワンマンを絶対に成功させて、もう武道館に〝王手〟をかけようと思ってます。最高に面白いライブにしますので、皆さんぜひ見に来てください! よろしくお願いします!

【REAL AKIBA BOYZ】2007年に結成した、アニソンとダンスを融合させたパフォーマンスで人気を集めるダンスグループ。高度なテクニックとオタク性のあるダンス動画が話題となり、ユーチューブの登録者数は66万人を突破。昨年末は紅白歌合戦に出演した。2月からはZepp&TDCワンマンライブツアー『Over The Future』を開催。現在活動中のメンバーは涼宮あつき、けいたん、DRAGON、ムラトミ、マロン、ゾマやかじゃない!、ネス、とぅーし、龍。

 公式HPは【http://abstreem.co.jp/RAB/】。