オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第173回は「イッボカシ」だ。

「イッボカシ」はもともとアイヌの村に住む、非常に優しい女性であった。ただ、かなり容姿が変わっており、必要以上に差別を受けてしまったという。

 ある時、別の村の人間が武装して攻めてきた。その結果、イッボカシは斬り殺されてしまった。しかし、人の良いイッボカシは、死んだ後に妖怪となって、妖力で村人を守ったといわれている。

 イッボカシの特徴としては、目玉が極端に飛び出しており、人間のなごりがまったくないように見える。妖怪となって人間の姿をしていた時の“変わった容姿”という特徴が強化されてしまったのだろうか。

 目に特徴がある伝承妖怪は多い。「目」「一つ目小僧」「三つ目小僧」「手の目」「百目」「百々目鬼」「後眼」などなど。目に妖力が宿るケースが多いが、イッボカシもかなり妖力が高いのだろうか。