日本相撲協会は31日午前、東京・両国国技館で大相撲春場所(3月10日初日、大阪府立体育会館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇琴ノ若(26=佐渡ヶ嶽)の大関昇進を正式に決定する。祖父は元横綱琴桜で、元関脇琴ノ若で師匠の佐渡ヶ嶽親方(55)を父に持つ〝サラブレッド〟の原点は、父から受けた〝熱血指導〟だ。幼少期から関係者も驚くほどの厳しさで礼儀作法を教わり、相撲界で花咲く下地を刷り込まれた。
「大関琴ノ若」が正式に誕生する。先の初場所で13勝を挙げて、大関昇進の目安とされる「3場所33勝」に到達。優勝決定戦では横綱照ノ富士(32=伊勢ヶ浜)に敗れたものの、初優勝まであと一歩だった。
小学5、6年時に琴ノ若を指導した「柏相撲少年団」の永井明慶代表(41)が「おっとりした性格」と明かすように、少年時代から真面目で温厚な性格だ。一方、父はかわいい息子に、力士としての心構えを身につけさせるため、あえて厳しく接した。永井代表は「親方が時々稽古場に来て、礼儀に関してすごく厳しく言っていた。練習内容は『クラブにお任せします』という感じだったけど、ピッと止まってあいさつをしないだけでも(体を)元に戻して『あいさつをしなさい』と怒っていた。(親方からの)しつけが今の人柄をつくった」と証言する。
同部屋と琴ノ若後援会の会長を務める二藤部洋氏(74)も「幼いころから、ずっと優しくて気が利く。親方は厳しくて、当時3、4歳の時に、そこまでしつけをするのかと思う時もあった(笑い)」と父の厳しさを振り返る。おかげで礼儀と〝律義さ〟は天下一品。二藤部会長は「場所中は勝ち負け関係なく、毎日LINEをくれる。負けた日でも『切り替えていきます』とメッセージがくるし、勝ち越したら電話をくれる」と恩人への礼を欠かさぬ姿を明かした。
昨年は、新小結だった初場所から6場所連続で三役を維持。今場所は横綱と千秋楽まで優勝争いを演じた。二藤部会長は「3代で三役になれたのは前例がないし、すごく立派。ただ、正直勝負師としては、もっとキツい部分があってほしい。上は横綱、志は高く活躍してほしい」。大きな期待の上で、礼儀正しさに加えた勝負師としての奮起を求めた。
本人にとっても、今回の昇進はあくまで通過点にすぎない。29日の会見では「地位が大関で終わりではないので。もう一つ、上を目指してやっていかないといけない」とさらなる飛躍を誓った。
まずは初優勝で、尊敬する父に親孝行を果たせるか。












